宇佐美滋

宇佐美 滋（うさみ しげる）

宇佐美滋は1933年1月2日に生まれ、2013年4月24日に80歳で亡くなった日本の国際関係論の研究者である。東京大学での学びを経て、国際関係論の専門家として活躍し、メディア業界や学界で幅広い経験を積んだ。

来歴

彼は1957年に東京大学教養学部を卒業後、1959年には同大学院社会科学研究科の国際関係論修士課程を修了して国際学修士の学位を取得した。その後、毎日新聞社に入社し、記者としてのキャリアをスタート。1960年からはフルブライト留学生としてコロンビア大学に留学し、公法と政治の学びを深めた。

宇佐美は特派員として、中国や香港、1974年からはアメリカのワシントンでの特派員としても活動。その後、1977年から1984年まで東京外国語大学の教授として国際関係論を教え、ジョージ・ワシントン大学での客員教授としての経験も持つ。1995年には日本大学国際関係学部の教授に就任し、2000年には『米中国交樹立交渉の研究』によって日本大学から博士号（国際関係）を取得した。

2013年には肺炎により亡くなるまで、国際関係に関する多数の貴重な研究成果を残した。

著書

宇佐美は国際関係論やアメリカ政治に関する著作を多数執筆しており、その中には以下の作品が含まれる。

• - 『アメリカ大統領――最高権力をつかんだ男たち』（講談社、1988年）
• - 改訂『アメリカ大統領を読む事典――世界最高権力者の素顔と野望』（講談社+α文庫、2000年）
• - 『ファースト・レイディーズ――ホワイトハウスを彩った女たちの物語』（文藝春秋・文春ネスコ、1989年）
• - 『揺れるアメリカ外交――超大国の政策決定プロセスとジレンマ』（バベル・プレス、1990年）
• - 『米中国交樹立交渉の研究』（国際書院、1996年）

さらに、彼は翻訳も手がけており、たとえばロクサーヌ・ウィトケの『江青』やピーター・G・ピーターソンの『豊かな国への選択』などがある。また、1992年には『ケネディの絆――大統領をめざす若者たち』（西村書店）を訳しており、アメリカの政治や歴史への深い理解を示している。

宇佐美滋は、国際関係論の研究のみならず、アメリカ政治に関する知識を一般にも分かりやすく伝えることで、多くの読者に影響を与えた。彼の多岐にわたる業績は、後進の研究者や学生たちにとって貴重な指針となるだろう。

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