宇宙戦艦ヤマト 完結編

作品の概要

『宇宙戦艦ヤマト 完結編』は、1983年に公開されたアニメーション映画であり、ヤマトシリーズの第8作目でもあります。通称「完結編」や「ファイナル・ヤマト」としても知られ、物語は宇宙戦艦ヤマトの壮大な旅の集大成となっています。ナレーションは俳優の仲代達矢が担当しており、その声が作品に深みを与えています。

映画は当初1982年に公開される予定でしたが、多くの制作上の問題により1983年にずれ込むことになりました。その間、主要スタッフが一時的に別のプロジェクトに忙殺され、製作が遅延しました。しかし、最終的には期待を超える完成度で公開されました。

制作の背景

公開当時、多数のアニメ映画が同時期に公開されており、スタッフの制作状況は厳しかったといいます。特に、プロデューサーの西崎義展が他の映画に関与していたため、作業はなかなか進まなかったのです。そのため公開日は複数回延期されたものの、最終的には1983年3月19日になりました。

音楽

本作の音楽は、宮川泰と羽田健太郎の2人によって作曲されています。二人のスタイルは異なり、クラシック音楽の要素が多く取り入れられたことで、よりスケールの大きい音楽が生まれました。音楽制作においてはコンペ形式が取り入れられ、双方からの楽曲を評価し、作品に最適なものが選ばれるという慎重なプロセスが踏まれました。結果として、劇中には92曲以上の楽曲が制作されたといいます。

物語の背景

物語は西暦2203年を舞台に、宇宙の異常事態に対処するため、古代進が艦長を務める宇宙戦艦ヤマトが描かれています。冒頭で銀河系中心部で大きな異変が発生し、古代はヤマトのクルーや友好国の人々を救おうと奮闘しますが、その中で数々の困難が待ち受けています。

特に、友好国ディンギル星が水没する危機に直面し、古代は奮闘するものの、ヤマトクルーに多大な犠牲が出てしまいます。ディンギル星から脱出した後、母星を失ったディンギル帝国は地球を新たな移住先として狙い、ヤマトはその阻止に立ち向かいます。

終結と自爆

物語のクライマックスでは、沖田十三が再び艦長としてヤマトに返り咲きます。古代とともに再出撃したヤマトは、最終的にアクエリアスの水柱を断ち切るために自爆する決断を下します。この決断に至るまでの経緯や仲間の思いが描かれ、多くの視聴者に感動を与えました。

キャラクターと登場メカ

本作には、古代進や森雪、沖田十三をはじめとする数多くのキャラクターが登場し、彼らの成長や犠牲が物語の大きなテーマとなります。また、宇宙戦艦ヤマトやコスモタイガーIIなどの魅力的なメカも劇中に登場し、視覚的なインパクトも与えています。

まとめ

『宇宙戦艦ヤマト 完結編』は、シリーズの集大成とも言える作品であり、壮大な物語、感動的なキャラクター、心に残る音楽が特徴です。艦船の運命と宇宙のドラマが交錯する中、人間の勇気や最大の選択が描かれており、多くのファンに愛されています。最終的には、ヤマトと命を賭ける乗組員たちの姿が視聴者に強い印象を残し、アニメ史に名を刻むこととなりました。

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