仲代達矢

仲代達矢

仲代達矢（なかだい たつや、英：Tatsuya Nakadai）は、日本を代表する俳優であり、演出家、歌手、ナレーターでもあります。1932年12月13日、東京府東京市目黒区に生まれました。身長178cm、体重75kg、血液型はB型です。仲代は劇団俳優座の出身で、無名塾を主宰し、愛称は「モヤ」として親しまれています。

生い立ち

彼は四兄弟の長男として育ち、父は茨城県の農家出身で京成電鉄のバス運転手でした。家庭の事情で千葉県津田沼へ引っ越し、その後東京都世田谷区に移ります。8歳で父親を結核で亡くした後、母親が青山の弁護士事務所に勤め始め、母親と一緒に過ごす中で様々な学校を転々としました。

高校時代には東京都立北豊島工業学校に入学するも、空襲の影響で中退。その後、競馬場の切符売りやパチンコ屋でアルバイトをしながら、東京都立千歳高等学校定時制を卒業しました。

俳優の道へ

仲代は高校卒業後、俳優座の公演を観た際、演技に感銘を受け、1952年に俳優座養成所に入所しました。同期には宇津井健や佐藤慶がいました。1954年には名作『七人の侍』で映画デビューを果たしますが、エキストラとしての短い出演からスタートしました。以後、少しずつキャリアを積み重ねていきます。

1955年には俳優座に準劇団員として入団し、映画『火の鳥』で大役を果たし、一躍注目を浴びました。

主演俳優の道

多数の映画会社から専属俳優のオファーを受けましたが、舞台への愛着からフリーの道を選びました。その結果、多くの作品に出演し続けることができました。特に1960年代の『人間の條件』や『切腹』など、小林正樹監督作品での演技は高く評価され、また、黒澤明監督の作品『用心棒』や『影武者』にも出演しました。『影武者』では勝新太郎の代役として急遽主演に抜擢されたことでも知られています。

テレビドラマでの活躍

仲代はテレビドラマでも幅広く出演し、1972年のNHK・大河ドラマ『新・平家物語』で平清盛を演じました。大河ドラマにはその後も出演し続け、1980年代以降も『大地の子』などの現代劇でも幅広い役柄をこなしています。

教育への貢献

1975年には無名塾を設立し、若手俳優の育成を開始しました。俳優座を退団後は、無名塾において演出を妻に任せ、自身も出演する形で演劇を続けています。

近年の活動

近年も精力的に活動し、2010年には映画『春との旅』で主演し、受賞するなど、いまだに日本映画界で重要な存在です。2015年には文化勲章を受章し、2020年には86歳にして主演映画『帰郷』が公開され、今後の作品についても期待が寄せられています。

プライベートと家族

妻は女優の宮崎恭子で、1957年に結婚しました。家族に恵まれなかったため、宮崎の姪・仲代奈緒を養女に迎えています。仲代達矢は、生涯にわたって日本の文化界に多大な影響を与え続けています。彼の業績や存在は、日本の演劇・映画界において、その伝説として語り継がれることでしょう。

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