宇治 (砲艦・2代)

宇治（うじ/うぢ）：日本海軍の橋立型砲艦の二番艦

宇治は、日本海軍の橋立型砲艦であり、艦艇としては二隻目にあたります。著名な艦歴を持つ宇治は、大日本帝国海軍の一員として1941年に大阪鉄工所で竣工しました。太平洋戦争の渦中では、数々の重要任務に従事。その後、終戦を迎えた宇治は、中華民国海軍などを経て、1979年まで使用されました。

艦歴と主要な任務

大日本帝国海軍時代

1941年、宇治は日本海軍での運用が開始され、1942年には揚子江部隊の旗艦として活動しました。1944年からは上海方面に移り、船団護衛に従事しました。特に、1945年の終戦時には上海に残存していました。宇治は数々の船団護衛任務に関与し、敵潜水艦からの攻撃を受けつつも、護衛艦艇の連携により旗艦としての役割を果たしました。

中華民国海軍と人民解放軍海軍

終戦後の1945年9月には、中華民国軍によって接収され、長治と改名されました。1947年から1948年にかけては、渤海方面での戦闘や撤退支援に参加しました。1949年には国民党軍の崩壊に伴う混乱の中で、乗組員が反乱を起こし中国共産党に投降。その後は「八一」と改名され、母艦としての新たな役割が与えられました。さらに、1950年には南昌と改名され、人民解放軍海軍の旗艦として再び軍事活動に従事しました。

再就役と艦の変遷

南昌として再就役した艦は、海軍の重大な象徴となりました。主砲に13cm単装砲を装備し、駆逐艦に匹敵する武装を誇りました。次第に艦橋や砲の形状も改装され、海軍の最新の艦艇として様々な任務に携わりました。特に、国民党政権の指揮の下で周辺海域の日本籍漁船を拿捕する任務を実施し、1953年には毛沢東主席の視察も受け、国際的にも注目されました。

退役と遺産

1979年に宇治は除籍されましたが、その艦名は新たに建造された艦艇に受け継がれています。宇治の艦歴は、単なる軍艦の歴史に留まらず、戦争と平和の変遷を物語る重要な存在として位置づけられています。宇治の運命は、日本および中国の軍事歷史の一部であり、様々な艦長や艤装員がその指揮をとってきました。これからも宇治の名は、海軍の象徴として語り継がれることでしょう。

参考文献

• - 雑誌「丸」編集部 編『写真 日本の軍艦 第9巻 軽巡Ⅱ』
• - 田村俊夫「未発表写真で綴る戦中・戦後の砲艦「宇治」」
• - 海人社『世界の艦船』
• - 防衛庁防衛研修所戦史室：『戦史叢書　海上護衛戦』
• - 駒宮真七郎著『戦時輸送船団史』
• - 鈴木大次郎「砲艦「宇治」旗艦の威信をかけて敵機撃墜」

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