宇治正子

宇治 正子

宇治 正子（うじ まさこ）は、1948年1月31日に福岡県大牟田市で生まれた、日本の元女流棋士です。棋士としては、高柳敏夫名誉九段に師事しました。日本将棋連盟における女流棋士番号は「4」（旧番号は「12」）が付されており、これは女流棋士制度の比較的初期から活動されていたことを示しています。

棋士としての歩み

宇治氏の将棋との出会いは、一般的には遅い部類に入ります。二十代後半、病気療養中であった時期に将棋に触れたことが、その後の棋士人生の始まりとなりました。そして、三十歳を迎える年にあたる1978年に、女流2級としてプロの世界に足を踏み入れました。三十歳でのプロ入りは、当時の将棋界では極めて珍しい「晩学」での挑戦であり、その意欲と努力が伺えます。

プロ入りを果たした後、宇治氏は様々な女流棋戦に積極的に参加しました。創設間もない女流王将戦を始め、女流名人位戦においては第11期（1984年度）からB級リーグに参戦しました。また、レディースオープントーナメントでは、第5回（1991年度）において本戦への出場を果たしています。

昇段の記録

宇治氏のプロ入り以降の昇段履歴は以下の通りです。

1978年05月27日 - 女流2級（プロ入り）
1980年02月26日 - 女流1級
1989年03月15日 - 女流初段
2000年04月01日 - 女流二段（昇段規定改定による昇段）
2004年12月31日 - 引退
2006年04月01日 - 女流三段

プロ入り後、着実に実績を積み重ねて昇段していきました。2000年には、日本将棋連盟の昇段規定改定に伴い、女流二段への昇段を果たしています。また、棋士を引退された後の2006年4月1日には、女流三段に昇段されています。これは、現役中の実績などが考慮される引退後の規定によるものと考えられます。

現役時代の成績と引退

宇治氏は、晩学ながらも四半世紀にわたる長い現役生活を送りました。その間の通算成績は134勝273敗となっています。長年の功績が称えられ、引退前年の2003年には、現役勤続25年の表彰を受けています。そして、2004年12月31日をもって、棋士としての現役生活に区切りをつけ、引退されました。

日本将棋連盟からの退会

棋士を引退された後、宇治氏はしばらく日本将棋連盟に所属されていましたが、2015年12月31日付けで連盟を退会されました。退会の理由については、「一身上の都合」とされており、具体的な内容は公にされていません。しかし、これはご自身の意思に基づいた選択であったと見られています。

まとめ

宇治正子氏は、二十代後半という比較的遅い時期に将棋に出会い、三十歳でプロ入りを果たした晩学の棋士として、その挑戦的な姿勢が印象に残る存在です。四半世紀に及ぶ現役生活を通じて、黎明期から発展期にかけての女流棋士界の一員として活動され、将棋界の歴史にその名を刻みました。引退、そして日本将棋連盟からの退会という形で、棋士としての歩みを終えられましたが、その経歴は、年齢に関わらず目標に向かって努力することの尊さを教えてくれるでしょう。

もう一度検索