守安敏久

守安敏久（もりやす としひさ）は、1959年、岡山県に生まれた国文学者です。東京大学で国文学を専攻し、修士課程を修了後、博士課程を単位取得退学しました。その後、大阪学院大学の講師などを経て、2009年からは宇都宮大学教育学部の教授として教鞭を執っています。

守安氏の研究分野は、日本近代文学を中心に、現代演劇や映画など、多岐にわたります。特に、寺山修司、安部公房、三島由紀夫といった、文学の枠にとどまらず、演劇、ドラマ、映画など、多様なメディアで創作活動を展開した作家たちに注目し、その活動を横断的に研究しています。

なかでも、寺山修司研究においては、その堅実な研究姿勢が高く評価されており、特に映像作品の分析を多く手がけています。その功績は国際的にも認められており、2006年には国際寺山修司学会より奨励賞を受賞しています。

主な著書としては、『バロックの日本』（2003年）、『メディア横断芸術論』（2011年）、『寺山修司論 バロックの大世界劇場』（2017年）などが挙げられます。

『バロックの日本』は、その分野横断的な構成が評価され、愛知県立大学の山口俊雄助教授から「他分野にわたって論じる横断的な構成が魅力」と評されています。『寺山修司論』は、慶應義塾大学の鈴木彩非常勤講師により「寺山作品の豊かさを再認識できる1冊」と評価されています。

論文としては、「寺山修司の映画『草迷宮』 : 「母探し」と「母殺し」」 (宇都宮大学教育学部研究紀要)や、「〈イヴェント・レヴュー〉田中未知PRESENTS『寺山修司を 歌う 読む 語る』（スパイラルホール）」（『寺山修司研究』）などがあります。

守安氏は、研究活動にとどまらず、学会発表や講演会など、多方面で活躍しており、その研究成果は、国内外の多くの研究者や学生に影響を与え続けています。また、 researchmap, J-GLOBAL, KAKEN 科学研究費助成事業データベースなど、さまざまなプラットフォームでその研究活動が公開されています。

守安敏久の研究は、単なる文学研究にとどまらず、メディア論や文化論にも通じるものであり、現代社会における表現の多様性を理解する上で、重要な視点を提供しています。彼の今後の研究活動にも、大きな期待が寄せられています。

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