守屋松之助

守屋松之助について

守屋松之助（もりや まつのすけ）は、日本の実業家及び政治家として知られ、明治末から昭和中期にかけて多大な影響を与えた人物です。1877年2月16日、広島県深津郡深津村に生まれ、旧姓は石井です。彼は大原財閥の四天王の一人と称され、号は覚堂（かくどう）です。

幼少期と教育

松之助は、11歳で父を亡くし、多くの困難を乗り越えながら学び続けました。深津小学校及び、広島県立福山誠之館高等学校（当時は尋常中学誠之館）を卒業後、三菱合資会社の三菱造船所へと就職します。この間、日清戦争と日露戦争にも従軍しました。1901年には、小田郡矢掛町の守屋忠作の長女と結婚し、家督を相続します。

学問と政治への道

1906年には常盤松高等農学校（現・東京農業大学）に入学し、1910年に卒業後すぐに矢掛町の町長に就任しました。町長としての任期は2期8年間で、同時に矢掛町会議員としても活動していました。1918年には岡山染織整理（株）の常務取締役に就任し、他にも多くの企業で取締役として活躍しました。

県政と国政への進出

矢掛町長を辞任した後に小田郡会議員、岡山県会議員に選出され、1920年には衆議院議員に初当選しました。その後、中立系の庚申倶楽部に所属しましたが、1924年には立憲農本党の設立に参加し、反犬養毅の立場で政治活動を展開しました。

岡山市長としての功績

1929年、彼は岡山市長に就任し、農村の不況対策や近隣三村の編入、さらには岡山市歌の制定に尽力しました。このような政策により市政の発展に寄与しましたが、1933年に贈賄容疑で逮捕され、同年市長を辞職しました。

農業への貢献

守屋松之助は、農業の発展にも深く関与しており、矢掛町農会長、小田郡農会議員、岡山県果物同業組合長などを歴任しました。そして戦後には岡山県信用農業協同組合連合会の初代会長として、地域の農業振興に貢献しました。

著作と親族

松之助は複数の著作も残しており、特に『楽山翁を観る』や『滄海見聞雑記』は彼の見識を示す重要な資料となっています。彼の家族には、長男に弁護士・経済学者の守屋典郎がいるなど、次世代にもその影響が受け継がれています。

まとめ

1951年12月23日に亡くなった守屋松之助の功績は、岡山における政治、経済、農業の発展に大きく寄与しました。彼の活動は今もなお評価されるべきものであり、その歴史的な業績は今日の地域の基盤を築く一助となっています。

もう一度検索