守島伍郎

守島伍郎（もりしま ごろう）

概要

守島伍郎は、1891年に福岡市で生まれた日本の外交官および政治家である。衆議院議員としての活動に加え、外交の場でも多くの重要な役割を果たした。彼の生涯は、戦前・戦中・戦後にわたり、日本の対外関係に深く関与したものであった。

経歴

守島伍郎は、旧福岡藩士の子として福岡に生まれ、福岡県立中学修猷館を経て、第一高等学校で学んだ。その後、東京帝国大学法科大学に進学し、1917年に法律学科を卒業。在学中には高等文官試験の行政科に合格し、その後外交科にも挑戦し合格する。これは彼の外交官としてのキャリアの出発点であった。

外務省への入省後、最初に上海に派遣され、次いでドイツ・ハンブルグに在勤する。1926年に二等書記官としてアメリカ合衆国大使館に配属されると、その後一等書記官となり、中国での勤務や亜細亜局第一課長としての任務を遂行する。特に、1931年の満州事変における善後処理には尽力した。

1940年に退官した後は、外務省の外郭団体である世界経済調査会の常務理事に就任し、1942年には駐ソ連特命全権公使に任命される。戦時中の対ソ外交において、困難な調整を行い、戦後は帰国して弁護士としても活躍する。

政治活動

1946年に弁護士として登録した後、極東国際軍事裁判で元首相の弁護人を務めたが、苦しい状況に直面し一時的に辞任することに。翌年には、彼が設立した国際学友会の理事長に就任し、1965年までその地位を保った。

1949年には衆議院議員総選挙に民主自由党から立候補し当選。1950年には衆議院外務委員長に選出され、1951年のサンフランシスコ講和会議では全権団特別顧問として白洲次郎と共に随行。

終焉と栄典

守島は1940年に紀元二千六百年祝典記念章を受章し、外交と政治の両面で評価を受けた。1970年に79歳でこの世を去るまで、日本の外交史において重要な役割を果たし続けた。

著作

彼の著書には、『苦悩する駐ソ大使館 - 日ソ外交の思出』（1952年）があり、この作品は彼の外交官としての経験を振り返るものとして、貴重な資料となっている。

まとめ

守島伍郎の生涯は、日本の外交における激動の時代を映し出している。彼は政治の世界でも重要な影響を与え、戦後の日本の歩みに貢献した。彼の業績は、今もなお日本の外交・政治の歴史の中で語り継がれている。

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