安井久治

安井久治（やすい ひさはる）

安井久治（1951年4月12日 - 2015年7月19日）は、日本の著名な裁判官であり、大阪府出身です。彼は福岡高等裁判所の長官として知られ、全国各地の様々な裁判所において重要な役職を務めました。特に長野地方裁判所及び長野家庭裁判所の所長を務めた他、千葉地方裁判所所長や司法研修所長も歴任しました。また、判事補としてのキャリアの中で、ドイツでの在外研究の経験を持っていることも特徴的です。

経歴

安井は東京大学法学部を卒業し、1974年に司法修習生としてスタートしました。彼は28期の修習生として多くの法律的な知識を培い、1976年には東京地方裁判所において判事補の職に就きました。その後、1978年には最高裁判所刑事局に配属され、1980年には鳥取地方家庭裁判所米子支部の判事補を務めました。1982年には最高裁人事局へ異動し、様々な職務を経験していきます。

1984年には再び東京地方裁判所に戻り、地裁の判事補を務めることになります。1985年には京都家庭裁判所、1986年には京都地方裁判所の判事としても活躍しました。1988年には司法研修所の教官として法律の指導にも関わり、1991年には最高裁経理局で主計課長を経験。その後も経理局総務課長を経て、1998年には東京地方裁判所で刑事11部の総括を務めるなど、裁判所内での重要な役職を数多く歴任しました。

2005年には裁判所職員総合研修所の所長に就任し、2007年には長野地方裁判所の所長及び長野家庭裁判所の所長として、地方裁判所での運営に携わりました。2009年には千葉地方裁判所の所長を務め、2011年には東京高等裁判所で部総括判事として裁判業務の指揮を行いました。さらに同年には司法研修所長にも就任し、法曹の教育にも貢献しました。2013年には福岡高等裁判所の長官に就任し、最晩年まで裁判官としての職務に専念しました。

担当訴訟

安井久治は多くの著名な事件にも関与しており、その中でも特に注目されたのが、1999年の日本航空機駿河湾上空ニアミス事故に関する裁判です。一審裁判長として、業務上過失傷害罪で起訴された航空管制官2名に無罪判決を下しました。

また、外務省主任分析官・佐藤優氏の背任事件においても一審裁判長を務め、執行猶予付有罪判決を出しました。この事件は2005年に判決が言い渡され、社会的にも大きな関心を集めました。さらに、全日空61便ハイジャック事件の一審裁判長として、被告に無期懲役の判決を下し、一審で確定しました。このように、安井は重要な事件に深く関与し、裁判の公正を守るために尽力しました。

最晩年

2015年の6月には依願退官し、そのわずか1ヵ月後の7月に膀胱がんのため逝去しました。安井久治の法曹界への貢献は、今もなお多くの人々に記憶されています。彼の思考や行動は、法律の実務において重要な指針となるでしょう。

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