安原いちる

安原いちる：作品と経歴

安原いちる（1967年3月19日生まれ）は、日本の漫画家であり、福岡県出身です。彼女は1988年に『月刊少年マガジン』（講談社）に掲載された『TOOCKY』でデビューを果たしました。

デビューまでの道のり

21歳の時、安原はいわゆる冬コミで『月刊少年マガジン』編集部のSから名刺を受け取りました。Sは当初、安原の友人（と思っていた人物）の絵に興味を持ったようでしたが、その後安原自身もスカウトされたことに気づきます。Sからネームを描いてみるように勧められた安原は、当時少女漫画ばかり読んでいましたが、言われるがままに様々なネームを制作しました。しかし、なぜかラブコメを描こうとしても上手くいかず、Sから「何を描いてもラブコメみたいになる」と指摘を受けつつも、ネームを原稿にする許可を得て、その作品が入選し、デビューが決定しました。

しかし、同誌には「入選者は大成しない」というジンクスがあり、安原は素直に喜べませんでした。掲載前に編集長から登場人物の描き分けについて指摘を受け、1か月で55ページを描き直すよう指示されます。当時、1日に1ページ半しか仕上げられなかった安原でしたが、編集長に「できます」と答え、担当編集者の助けも借りながら、1988年『月刊少年マガジン』10月号に『TOOCKY』が掲載され、デビューを果たしました。

デビュー作の評価は決して高くなく、担当編集からは「もう二度と会うこともないかも」と言われるほどでした。しかしその後、たまたま「誰かが原稿を落とした時のための原稿」（落ち原）として描いたショートの読み切り作品『ANGEL BEAT』が代原として掲載されることになり、これが転機となりました。

連載作品

ANGEL BEAT：1989年から1996年まで『月刊少年マガジン』で連載。
たま♥はな：1998年から2006年まで『月刊少年マガジン』で連載。
男子の魔女：2010年、『マガジンイーノ』で連載開始。
ばりすき：2017年より『月刊少年マガジン』で連載。安原の出身地である福岡県を舞台とした恋愛もので、作中では福岡の方言が使用されています。

作品リスト

TOOCKY（『月刊少年マガジン』1988年10月号）
ANGEL BEAT（『月刊少年マガジン』1989年9月号 - 1996年12月号、全14巻、文庫版全8巻）
たま♥はな（『月刊少年マガジン』1999年1月号 - 2006年5月号、全6巻）
3人とひとり（原作担当、作画：桑原V三郎、全2巻）
姫太郎（原作担当、作画：大本鶏、短編集）
男子の魔女（『マガジンイーノ』2010年9号 - 、既刊1巻）
ばりすき（『月刊少年マガジン』2017年2月号 - 2019年12月号）
青春月刊少年マガジン 〜安原いちるのされどいつわりの日々〜（『月刊少年マガジン』2025年4月号）

アシスタント

大本鶏

参考文献

安原いちる「青春月刊少年マガジン〜安原いちるのされどいつわりの日々〜」『月刊少年マガジン』2025年4月号、講談社、2025年3月6日、599-628頁。

外部リンク

* 安原いちる (@ichiruyasuhara) - X（旧Twitter）

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