安原政俊

安原 政俊（やすはら まさとし）

1980年10月8日、千葉県市川市に生まれた安原政俊氏は、かつてプロ野球選手として読売ジャイアンツに所属した右投げ右打ちの投手です。プロ引退後も多方面で活躍しており、現在は会社員として勤務する傍ら、野球の指導にも力を入れています。

幼少期から野球に親しみ、小学校2年生で本格的にプレーを始めました。中学時代には鎌ヶ谷ドラゴンズの中心選手として実力を磨き、高校は地元の強豪である中央学院高等学校に進学しました。高校時代には、切れ味鋭い変化球と力強いストレートを武器にチームを牽引し、3年夏の東千葉大会ではベスト4に進出するなど活躍を見せました。残念ながら甲子園出場は叶いませんでしたが、その将来性の高さが多くのプロ球団から注目を集める存在となりました。

高校卒業を控えた1998年のプロ野球ドラフト会議において、読売ジャイアンツから4位指名を受け、プロの世界への扉を開きました。契約金5000万円、推定年俸480万円という条件でジャイアンツに入団し、プロ野球選手としての第一歩を踏み出しました。入団当初は背番号「94」を背負い、独特のスリークォーターの投球フォームから投げ込まれる剛速球で、打者を力でねじ伏せる投球スタイルが期待されました。

プロ入り後、研鑽を積んだ安原氏は、2001年に念願の一軍昇格を果たします。そして、同年8月16日にナゴヤドームで行われた中日ドラゴンズとの対戦で、プロとして最初で最後となる一軍公式戦のマウンドに上がりました。この試合、8回裏にチームの5番手投手としてリリーフ登板。1イニングを投げきり、1失点という結果でした。この登板で、安原氏は中日ドラゴンズの井端弘和選手から空振り三振を奪い、プロ初奪三振も記録しています。

しかし、プロ野球選手として一軍のマウンドに立ったのは、この一度きりでした。厳しいプロの世界で定着することは難しく、翌2002年には球団から戦力外通告を受けます。現役続行を目指し、いくつかの他球団の入団テストを受験しましたが、いずれも合格を勝ち取ることができず、プロ野球選手としてのキャリアに終止符を打つことになりました。

プロ野球界を離れた安原氏は、新たな道を模索します。一時はプロゴルファーへの転身を目指し、挑戦を続けた時期もありましたが、2009年8月をもってゴルフからも離れました。現在は会社員として社会人生活を送っています。

その一方で、野球への情熱は失っていません。近年では、千葉県野田市内にある西武台千葉中学校の野球部で監督を務めるなど、若い世代の指導者として活動しています。また、元プロ野球関係者が学生野球の指導資格を得るために必要な研修にも積極的に参加しており、2014年12月には日本学生野球協会が主催する学生野球資格回復研修会を受講し、修了証を授与されました。これは、プロ経験者が高校や大学などで学生を指導するために必須となる資格であり、今後さらに指導者としての幅を広げていく意欲を示しています。

プロ野球選手としては短命に終わったキャリアでしたが、安原政俊氏はその経験を活かし、会社員として働きながら、未来を担う球児たちの育成に情熱を注いでいます。いわゆる「松坂世代」の一員としても知られ、その後の人生でも野球との繋がりを大切にしている人物です。

記録
初登板：2001年8月16日 対中日ドラゴンズ23回戦（ナゴヤドーム）、8回裏に5番手で救援登板・完了、1回1失点
初奪三振：上記登板時、8回裏に井端弘和から空振り三振

背番号
* 94（1999年 - 2002年）

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