安原達佳

安原達佳（やすはら たつよし）

安原達佳は、1936年3月5日に岡山県で生まれたプロ野球選手で、ポジションは投手および外野手である。彼の野球キャリアは、プロに入る前の高校時代から始まっており、倉敷工業高校ではピッチャーとしてプレーしていたが、甲子園に出場することはできなかった。この高校時代には、後にプロ野球界で同僚となる小寺好雄選手とチームメートだった。

プロ入団と初期のキャリア

1954年に読売ジャイアンツに入団し、プロ選手としてのキャリアをスタートさせる。2年目の1955年には先発投手として37試合に登板し、12勝8敗の成績を残した。この年、彼は防御率1.74を記録し、リーグ内でも5位に輝いた。特に、南海ホークスとの日本シリーズでは重要な場面でリリーフとして登板し、期待される活躍を見せた。しかし、第6戦では先発として登板したものの、早々に降板してしまった。

翌1956年も彼は好調で、15勝を挙げてリーグ優勝に貢献。しかし、この年の日本シリーズでは中継ぎ投手としての出番しかなく、活躍の場が限られていた。1957年には故障によって無勝利を記録することとなり、その影響が続いた。

投球フォームの改造と復活

1958年には投球フォームを横手投げに変更し、見事にカムバック。14勝を挙げ、そのリズムを利用して翌1959年も12勝を記録する。防御率2.69はリーグ内で高く評価される数字で、彼のピッチングがチームにどれほど貢献したかが窺える。再び故障に見舞われた1960年には未勝利に終わるが、1961年からは外野手に転向することに。

外野手への転向と引退

外野手に転向した1961年、安原は43試合に先発出場し、チャンスメーカーとして存在感を示す。翌年の日本シリーズにも代打として2試合に出場するが、1963年には出場機会が減少し、その年限りで引退を決意した。

引退後は、妻の実家が経営する企業に勤務し、1978年から社長に就任して新たな人生を歩んでいく。

プレイスタイルと個性

安原はスナップを効かせた投球を特徴としており、調子の良い時にはその投球音がベンチにまで届くほどだった。速球や変化球のキレも良く、多彩な投球スタイルを持ちながらも、身体の硬さが影響し、安定したパフォーマンスが続かなかった。また、故障後に外野手へと転向した際も、その打撃センスは高く評価されていた。

彼は大食漢としても知られ、同僚の馬場正平と共に合宿所ではおかわり自由のご飯を食べず、他の選手の分のおかずを奪い合っていたエピソードが有名である。共同で差し入れを食べる際も、周囲を圧倒するほどの早食いだったという。

最後の時

安原達佳は、2015年4月1日に79歳で亡くなった。彼のプロ野球での活躍は、ファンやチームメートに多大な影響を与え、今でも記憶に残る存在である。

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