安定成長期

安定成長期（あんていせいちょうき）

安定成長期、または安定経済成長期は、日本における経済的な安定と成長が続いた時期であり、1973年12月から1991年5月まで約17年半にわたりました。この期間は、日本が経済的な発展を遂げる中で成長率が安定しており、実質経済成長率は平均4.2%という成果を収めました。

経済環境の変化

この時期、特に1980年代前半は円安ドル高の影響を受け、自動車や電機製品などのハイテク産業が国際市場で強さを見せ、輸出が増加しました。しかし、急激な輸出の増加はアメリカなどとの貿易摩擦を引き起こし、これを解消するために1985年にはプラザ合意が成立しました。この合意により、円高が進行し円高不況が訪れました。日本銀行はこれに対抗するため、低金利政策を実施しましたが、結果として地価や株価が異常に高騰し経済はバブルに突入しました。

オイルショックとその影響

この経済成長期の初期には、オイルショックも影響を及ぼしました。1974年度は初のマイナス成長を記録し、その後、日本はスタグフレーションの問題に直面しました。しかし、日本は省エネルギー対策や企業の経営合理化を進め、他の先進国よりも早い段階でオイルショックからの脱却に成功しました。このような対応は、経済の回復を速める要因となりました。

産業の変遷

オイルショックの影響で重厚産業（鉄鋼・造船・石油など）は低迷し、これらの業界は構造不況に直面しました。その一方で、エネルギー消費が少なく、付加価値の高い自動車や電気製品、さらには半導体などが成長を遂げました。また、サービス産業も進展し、情報技術やレジャー関連の第三次産業が発展しました。

輸出の拡大と貿易摩擦

1980年代にはアメリカのレーガノミクスが影響し、ドル高・円安が進む中で、日本はハイテク産業を中心に欧米市場への自動車や電子機器、半導体の輸出を拡大しました。その結果、日本は大幅な貿易黒字を計上しましたが、輸出の急増が欧米諸国との間で貿易摩擦を引き起こし、国際的な問題へと発展しました。特にアメリカとの貿易摩擦は繰り返し問題にされました。

バブル経済の発生と崩壊

プラザ合意後の急速な円高に対応するため、日本銀行は公定歩合を引き下げ、大幅な金融緩和を行いました。この結果、過剰な流動性が生まれ、株式や不動産市場は急上昇しました。バブル景気は日本経済に力強さを与えるように見えましたが、政府による金融引き締め策が後に実施されると、地価や株価は急落し、バブル経済は崩壊しました。

結論

このように、安定成長期は日本経済の重要な歴史の一時期を形成し、多くの変化がありました。バブル崩壊は経済の安定成長に大きな影響を及ぼし、この期間に学んだ教訓は今後の経済政策にとっても重要な参考となるでしょう。

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