安居喜八

安居喜八（やすい きはち）

安居喜八は、1883年（明治16年）1月18日に滋賀県犬上郡彦根町で生まれた実業家です。没年は不明です。近江貯蓄銀行や百三十三銀行など、多くの企業の要職を歴任し、滋賀県における多額納税者として知られました。公選初代の彦根市長としても活躍しました。

生涯

安居喜八は、彦根における資産家の長男として生を受けました。弟には、大阪で紙商を営んだ安居武藏がいます。1887年（明治20年）に家督を相続し、喜三郎から喜八に改名しました。

実業界では、近江貯蓄銀行、百三十三銀行、川北電気企業、黒部川電力などで取締役を、近江絹糸紡績では監査役を務めました。また、自身も紙商「安居（名）」の代表社員として事業を推進しました。

1947年には、公選初代の彦根市長に選出され、市政に尽力しました。彦根高等商業学校（現在の滋賀大学経済学部）の設立に際しては、設立委員長を務めた安居喜造を支え、多額の寄付を行いました。設立当時の座談会にも出席し、創立時の様子を語っています。

玄宮園・八景亭との関わり

彦根城にある玄宮園は、近江八景を模して造られており、中の亭屋は「八景亭」と呼ばれています。安居喜八は、明治初年に八景亭を徳川幕府から払い下げを受けましたが、1896年に井伊家が買い戻し、料理旅館として使用されました。

初代公選・彦根市長として

1947年4月5日に行われた彦根市長選挙で、安居喜八は無所属で立候補し、7,414票を獲得して当選しました。他の候補者の得票数は以下の通りです。

谷口銕治郎（無所属、新人）：5,142票
田井中信一（無所属、新人）：3,579票
川口元次郎（無所属、新人）：947票

家族・親族

父は喜八、母はいと。妻はうた。長男は喜三郎。他に、二男、長女、三男、二女がいます。弟の吉藏は分家しています。

安居家は、喜八の代から数えて8代目にあたり、戦後まで紙問屋を営んでいました。屋号は不明ですが、暖簾には「安」の文字がデザインされていたといいます。

安居喜八は、実業家として、また彦根市長として、地域の発展に大きく貢献した人物です。その功績は、今も彦根の歴史に深く刻まれています。

外部リンク

11 安居・弘世家文書｜彦根市立図書館 - 史料情報共有化データベース 国文学研究資料館 (2022年4月閲覧)

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