安居喜造

安居喜造：日本の経済界を牽引した実業家

安居喜造（やすい きぞう、1899年12月2日 - 1983年9月30日）は、日本の実業家であり、東レの会長、経団連の副会長、日本化学繊維協会の会長などを歴任し、日本の経済発展に大きく貢献しました。また、日本国有鉄道（国鉄）の監査委員会委員長として、国鉄再建のために尽力したことでも知られています。

生い立ちと学歴

安居喜造は、近江国彦根（現在の滋賀県彦根市）の安居家に生まれました。安居家は彦根藩に仕えた家柄で、菩提寺は龍潭寺です。父の喜造は彦根町長を務め、彦根高等商業学校（現在の滋賀大学経済学部）の設立に尽力しました。

旧制滋賀第一中学（現在の滋賀県立彦根東高等学校）を経て、1926年に旧制東京商科大学（現在の一橋大学）を卒業。大学では、経済学者の大塚金之助のゼミナールに所属しました。

実業家としてのキャリア

大学卒業後、三井銀行に入行。常務、専務を経て、1959年に副社長に就任しました。

1961年には三井石油化学工業（現在の三井化学）の社長に就任。翌年には三井ポリケミカル（現在の三井・デュポン ポリケミカル）の社長も兼任しました。

1963年には東洋レーヨン（現在の東レ）の副社長に就任し、1971年には会長に昇格しました。1977年に相談役となるまで、東レの経営に深く関わりました。

幅広い活動

実業界での活躍の傍ら、安居喜造は多くの公職も務めました。経済団体連合会（経団連）副会長、日本経営者団体連盟常任理事、経済同友会幹事、日本化学繊維協会会長などを歴任し、経済界の発展に尽力しました。また、東京12チャンネル（現在のテレビ東京）の取締役や日本国際貿易促進協会の顧問なども務めました。

国鉄再建への貢献

1974年には、日本国有鉄道監査委員会委員長に就任。1980年に再任され、国鉄の再建に向けて尽力しました。当時、国鉄は赤字経営に苦しんでおり、安居は経営改革に積極的に取り組みました。

受章と晩年

長年の功績が認められ、1979年に勲一等瑞宝章を受章しました。

1983年、肺炎のため83歳で死去。葬儀委員長は、元大蔵省事務次官・元国鉄総裁の高木文雄が務めました。

交友関係

安居喜造は、多くの著名人と親交がありました。元内閣総理大臣の大平正芳とは30年来の親交があり、増税の必要性について語り合ったエピソードが残されています。その他にも、佐藤栄作、森永貞一郎、澄田智、盛田昭夫、森泰吉郎、茂木啓三郎、井伊直愛、春木榮など、政財界の多くの有力者と交流がありました。

家族

長男の安居伸浩は王子製紙に勤務しました。妻の渚は、百五銀行頭取・会長の川喜田壮太郎の長女です。川喜田家は豊臣家に仕えた家柄で、代々久太夫を襲名してきました。

関連事項

経団連（副会長）
東レ（会長）
日本化学繊維協会（会長）
日本国有鉄道（監査委員会委員長）
三井銀行（副社長）
三井化学（社長）
伊勢神宮崇敬会（東京都本部長）
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滋賀県出身の人物一覧#実業家
勲一等瑞宝章



安居喜造は、実業家としてだけでなく、公職者としても日本の発展に大きく貢献しました。彼の功績は、今もなお多くの人々に語り継がれています。

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