安居寺 (南砺市)

安居寺について

安居寺（あんごじ）は、富山県南砺市にある高野山真言宗に属する寺院です。この寺院は、信仰の対象として広く知られ、縁談や受験、病気祈願、失せ物の発見など、さまざまなご利益があるとされています。安居寺の敷地内は「とやま森林浴の森」にも指定され、訪れた人々に自然の癒しを提供しています。春には美しい桜が咲き誇り、地域の名所としても賑わいを見せています。特に展望台からは、砺波平野の散居村を見渡すことができ、四季折々の景観を楽しむことができます。

沿革

安居寺は、養老2年（718年）にインドから渡来した善無畏三蔵によって創建されたと言われています。奈良時代には、聖武天皇の勅願所としても機能しており、行基によって壮大な伽藍が建設され、御前立観音も彫刻されたと言われています。江戸時代には、加賀藩前田家の祈願所として重要な役割を果たしており、特に2代藩主の前田利長が仁王門や観音堂を寄進し、寺観の整備が進められました。1954年には、富山産業大博覧会の記念事業として「富山百選」に選ばれ、地域の文化財としての価値が再認識されました。

文化財

安居寺には、いくつかの重要な文化財が存在します。以下に代表的なものを挙げます。

• - 観音堂: 富山県の有形文化財で、間口7間、奥行7間の入母屋造りの建物です。現在は本堂に収蔵されている聖観音像が安置されていました。
• - 木造聖観音立像: 国指定の重要文化財で、平安時代初期に作られた唯一の仏像です。
• - 慶長四年在銘石燈籠: 富山県の有形文化財で、加賀藩の重臣によって寄進された県内最古の石燈籠です。
• - 木造見返阿弥陀如来立像: 富山県の有形文化財で、室町時代の作品となっています。
• - 石造地蔵菩薩半跏像: 鎌倉時代中期から末期のもので、富山県の有形文化財に指定されています。
• - 安居寺の絵馬: 富山県の有形文化財で、元和8年に前田利常が奉納したとされています。独特の美しい馬の絵が施されています。

寺内には他にも繋馬図絵馬や鰐口、古文書などがあり、これらはいずれも地域の歴史や文化を物語る重要な資源です。

アクセス

安居寺へのアクセスは、JR城端線の福野駅から市営バスを利用するのが一般的で、安居寺前で下車することができます。また、E8北陸自動車道の砺波インターチェンジからは車で約15分の距離にあります。自然豊かな環境にありながら、アクセスも良好で、地域の人々や観光客にとって訪れやすい場所となっています。

安居寺はその歴史的背景や多くの文化財だけでなく、豊かな自然環境とともに訪れる人々に深い感動を与え続けています。

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