安徳水

安徳水：歴史と信仰が息づく名水

高知県高岡郡越知町横倉山に位置する安徳水は、1985年に名水百選に選定された、由緒ある湧水です。横倉山県立自然公園内にあり、標高774mの横倉山頂付近から湧き出ています。その水質の清らかさと、歴史的な背景から、古くから人々に大切にされてきました。

安徳水の歴史は古く、1185年（文治元年）の屋島の戦いに敗れた平家一族が、安徳天皇を奉じてこの地に潜伏したという伝説があります。彼らは横倉山に「横倉宮」を建立し、この湧水を天皇の飲用水として用いたと伝えられています。平家一門が身を寄せ、天皇に仕えた地で、安徳水は歴史の重みを感じさせる存在となっています。

また、安徳水は、修験道の聖地として知られる横倉山と深く関わっています。横倉山は日本国霊峰四十八ケ山の一つであり、土佐唯一の修験道の道場として開山されました。修験者たちは、この湧水を身を清める水として用いたと伝えられており、信仰の対象として尊ばれてきました。霊峰の伏流水として、清らかな水は信仰を深める場として重要な役割を果たしていたのでしょう。

安徳水へのアクセスは、国道33号から越知町に入り、横倉山第3駐車場まで車で約15分です。駐車場からは遊歩道を徒歩で約15分歩くと、安徳水に到着します。豊かな自然に囲まれた静かな環境の中で、歴史と信仰が息づく名水を訪れることができます。周辺には、横倉山県立自然公園が広がり、ハイキングや自然観察を楽しむこともできます。

安徳水は、単なる湧水ではなく、歴史と信仰が深く結びついた、特別な場所です。平安時代の動乱から現代まで、人々の生活や信仰に寄り添ってきた安徳水は、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。その歴史と自然に抱かれた清らかな水は、訪れる者に安らぎと感動を与えてくれます。

所在地:

北緯33度32分12.57秒 東経133度12分27.79秒

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安徳水は、日本の歴史と自然を体感できる貴重な場所です。静寂に包まれた環境の中で、歴史に思いを馳せ、自然の恵みを感じることができるでしょう。

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