安芸小田駅

安芸小田駅（あきおだえき）は、かつて広島県安佐郡口田村（現在の広島市安佐北区小田地区）に存在した、国鉄（当時は鉄道省）芸備線の廃駅でした。1941年（昭和16年）に営業を休止し、その短い歴史に幕を閉じました。

概要

安芸小田駅の起源は、1929年（昭和4年）に芸備鉄道がガソリンカーの運行を開始したことに遡ります。その翌年、1930年（昭和5年）4月25日に、ガソリンカー専用の停留所として「小田停留所」が設置されました。この停留所は、当時としては珍しいガソリンカー専用の駅であり、地域の足として重要な役割を担っていました。

1937年（昭和12年）7月1日、芸備鉄道が国有化され、芸備線の一部となると、小田停留所は「安芸小田駅」に改称されました。駅に昇格した後も、引き続きガソリンカー専用駅として営業を続けました。しかし、時代は第二次世界大戦へと向かい、日本は戦時体制下に入ります。燃料事情は急速に悪化し、ガソリンカーの運行維持が困難となっていきました。

そして、1941年（昭和16年）8月10日、ついに芸備線におけるガソリンカーの運転が全面的に廃止されることになりました。これにより、安芸小田駅は他のガソリンカー専用駅とともに、営業を休止せざるを得なくなったのです。

歴史

1929年（昭和4年）4月25日：ガソリンカー専用の小田停留所として開業。
1937年（昭和12年）7月1日：芸備鉄道が国有化され、安芸小田駅に改称。
1941年（昭和16年）8月10日：戦時統制によるガソリンカー廃止に伴い、営業休止。

安芸小田駅は、わずか10年余りの短い期間ではありましたが、地域の交通を支え、人々の生活に密着した存在でした。駅舎やホームなどの具体的な遺構は残っていませんが、その名前は地域の歴史の一部として、今も語り継がれています。

関連項目

日本の鉄道駅一覧
* 廃駅

もう一度検索