安里進

安里進の経歴と業績

基本情報

安里進（あさと すすむ、1947年 - ）は、沖縄県那覇市で生まれた考古学者および歴史学者です。彼の研究分野は、主に考古学と琉球史に焦点を当てています。また、沖縄県立芸術大学の名誉教授として、多くの学生に学びを提供しています。

学歴と初期のキャリア

安里は琉球大学の法文学部史学科を卒業後、最初は民間企業での勤務に従事しましたが、考古学への情熱が強く、教育分野に進むことになります。その後、大阪府教育委員会に移り、埋蔵文化財の調査に携わることとなりました。この経験が、彼の考古学者としての基盤を築く大きな要素となりました。

浦添市での活動

彼のキャリアの中で転機が訪れたのは、友人である高良倉吉との出会いを機に、浦添市に移住したことです。ここで、彼は浦添市美術館の創設に関与し、浦添市教育委員会の文化部長として地域の文化振興に力を入れました。また、沖縄の重要な遺跡である浦添ようどれの発掘調査にも従事し、地域の文化資源を明らかにする努力をしています。

沖縄県立芸術大学での教鞭

安里はその後、沖縄県立芸術大学に教授として迎え入れられ、琉球史や考古学を専門とする学生たちに貴重な知識と経験を提供しました。彼の授業は、学生たちに沖縄の歴史と文化への深い理解を促すものであり、学生たちの学問的な成長に寄与しました。

博物館の館長としての役割

2013年から2016年までの間、安里は沖縄県立博物館・美術館の館長として、地域文化の保護と普及に貢献しました。彼のリーダーシップのもと、博物館は多様な展覧会やイベントを通じて、沖縄の歴史や文化に対する理解を深める貴重な場所となりました。

著書と研究活動

安里進は多くの著書を執筆しており、その中には『沖縄人はどこから来たか―琉球・沖縄人の起源と成立』（共著、ボーダーインク刊）や『琉球の王権とグスク』（山川出版社）があります。これらの作品は、彼の研究成果を広く公開し、沖縄の歴史についての理解を深める一助となっています。

結論

安里進は、沖縄の考古学や歴史研究において重要な役割を果たしてきた学者であり、地域社会や大学の活動を通じて、その知識と経験を後世に伝える努力を続けています。彼の業績は、沖縄の文化遺産の保存と理解促進に寄与しており、今後も注目される存在です。

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