完全パッケージメディア

完全パッケージメディア（完パケ）とは

完全パッケージメディア、通称「完パケ」とは、映像編集における最終形態の一つです。具体的には、編集作業、MA（Multi Audio：音入れ、効果音、BGMの調整など）、そして放送や販売に必要なフォーマットへの組み込みが全て完了した映像のことを指します。この状態の映像は、そのまま放送や販売に使用できるため、「マスター」や「完成原版」とも呼ばれます。

完パケと関連用語

素材: 撮影や収録は完了しているものの、編集、MAなどの加工が施されていない、放送や販売には適さない状態の映像を指します。撮影素材とも呼ばれます。
白完（白完パケ）: 編集は完了しているものの、MAやテロップが挿入されていない映像を指します。映像はある程度完成しているものの、音声面での調整が残っている状態です。
画完（画完パケ）: 編集とテロップ挿入は完了しているものの、MAが施されていない映像を指します。映像としてはほぼ完成形に近いですが、最終的な音の調整が残っています。

ラジオにおける完パケ

ラジオの場合、CMを含めて、放送するだけで番組として完全に成立するものが「完パケ」と呼ばれます。ただし、CMは放送局によって異なる場合があるため、CMフィラーと呼ばれるBGMを挟み、CM送出を指示するCUE信号（Q信号）を付加することがあります。

CM部分がないものや、トークのみでBGMが入っていないなど、そのままでは放送できないものは「半パケ」と呼ばれることがあります。ただし、本来「素材」と呼ぶべきものを便宜的に「半パケ」と呼ぶケースも見られます。完パケ、半パケともに、編集の有無は問われません。

あたかも生放送のように収録する「同時パッケージ（同時パケ）」（「録って出し」ともいう）という手法がありますが、これは完パケとは異なります。同時パケで収録されたものでも、CMがあれば完パケ、なければ半パケとなります。つまり、完パケ、半パケはあくまで放送可能な状態かどうかを指す言葉であり、収録方法を限定するものではありません。

その他の情報

NHKでは、完全パッケージメディアのことを「完全プログラム（完プロ）」と呼びます。
ファミリー劇場では、完パケを題材にした『ますおかの完パケましょう』という番組が制作されています。

関連項目

撮って出し
映像編集
ポストプロダクション
テレシネ
シネテープ

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