完顔秉徳

完顔秉徳（かんがん へいとく）

完顔秉徳は、金朝の宗室であり、生年は不明です。女真名は乙卒（おつそつ）といいました。彼は、金朝の実力者であった秦王粘没喝（宗翰）の孫にあたり、父は設野馬（せつやば）という人物でした。

経歴

第3代皇帝である熙宗合剌（ホラ）の治世下で、秉徳は西南路招討使（せいなんろしょうとうし）という役職に就きました。その後、汴京留守（べんきょうるす）・兵部尚書（へいぶしょうしょ）へと昇進を重ねました。皇統6年（1146年）には参知政事（さんちせいじ）に昇り、さらに平章政事（へいしょうせいじ）という要職にまで上り詰めました。

その後、迪古乃（テクナイ、後の廃帝海陵王）、太宗ウキマイの孫である烏帯（ウタイ、完顔宗言）、そして熙宗の婿である唐括弁（とうかつべん）らと共に、熙宗の廃立を企てます。そしてついに、熙宗を寝殿で惨殺するという事件を起こしました。秉徳の本心は自身の即位にあったものの、僕散思恭（ぼくさんしきょう）の脅迫により、海陵王の擁立に回らざるを得ませんでした。

海陵王が即位すると、秉徳はその功績により左丞相（さじょうしょう）・侍中（じちゅう）・左副元帥（さふくげんすい）という重要な役職に次々と任命され、蕭王（しょうおう）に封ぜられました。しかし、海陵王は権力欲の強い秉徳を警戒するようになります。

天徳2年（1150年）、秉徳は行台尚書省事（こうだいしょうしょしょうじ）として左遷されます。やがて秉徳は烏帯と対立し、縁戚関係にあった尚書令史（しょうしょれいし）の蕭玉（しょうぎょく）と、烏帯の伯父である阿魯（アル、完顔宗本）と共に、謀反の罪で誣告されます。海陵王の命により逮捕され、投獄されてしまいました。

同年4月12日（1150年5月10日）、秉徳は蕭玉・阿魯と共に燕京（えんけい）の処刑台で処刑され、晒し首となりました。皮肉なことに、彼を誣告した烏帯は、秉徳の財産と娘を自分のものにしたといわれています。

完顔秉徳は、権力闘争の末に非業の死を遂げた人物として、金朝の歴史に名を残しています。

関連系図

(関連系図に関する情報が不足しているため、省略します。)

脚注

(脚注に関する情報が不足しているため、省略します。)

注釈

(注釈に関する情報が不足しているため、省略します。)

出典

(出典に関する情報が不足しているため、省略します。)

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