宗像正氏

宗像正氏（むなかた まさうじ）は、戦国時代の武将であり、同時に宗像神社の大宮司という神職の地位にもあった人物です。大内氏の家臣として、戦乱の世を生き抜きました。

生涯

宗像正氏の生年については、1500年や1512年など諸説存在し、正確な年は特定されていません。記録によれば、1508年に従兄弟にあたる宗像興氏（おきうじ）から宗像神社の大宮司の家督を譲り受けたとされています。宗像興氏は船岡山合戦で戦死しており、その後を継ぐ形となりました。大宮司就任後は、大内義興に仕え、尼子氏や大野氏との戦いに参戦。出雲や安芸といった地域を転戦し、武将としての役割を果たしました。

1527年には、弟である氏続（うじつぐ）を猶子とし、一度大宮司の家督を譲っています。しかし、翌1528年に大内義興が死去すると、正氏は大内義隆に仕えることになります。この際、義隆から周防黒川郷を与えられたため、偏諱を受け、「隆」の字を用いて黒川隆尚（くろかわ たかひさ）と改名しました。その後、家督を譲っていた弟の氏続を廃し、再び大宮司の座に復帰するという異例の事態となります。正氏には氏貞という庶子がいましたが、死の直前である1547年に、家督を猶子の氏男（黒川隆像）（氏続の息子または弟）に譲り、隠居しました。そして、同年中に死去したとされています。ただし、1551年没という説も存在しますが、有力ではありません。

宗像正氏の生涯は、武将として、また神職としての側面を持ち、戦国時代の激しい勢力争いの中で、複雑な人間関係や家督相続を経て、その名を歴史に刻みました。

補足

偏諱（へんき）：主君や上位者から名前の一字を賜ることで、主従関係や恩顧を示す行為。
猶子（ゆうし）：血縁関係のない者を、法律上の親子関係を結ぶこと。家督相続などのために行われることが多かった。

関連事項

* 宗像大宮司の一覧

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