宗方熈

宗方熈の生涯と藩主としての役割

対馬国府中藩の第7代藩主、宗方熈（そう みちひろ）は、元禄9年（1696年）9月27日に生を受けました。彼は、第3代藩主宗義真の九男であり、特筆すべきはその名前に歴代藩主が共通して持つ「義」という字が含まれていない点です。しかし、名前の「方」という字は、兄の第5代藩主義方からの偏諱を受けたものです。

初期の生涯

若かりし頃の方熈は、最初は樋口真連の婿養子となり、樋口方熈という名で知られていました。しかし、享保15年（1730年）11月に兄の義誠が亡くなると、方熈はその後を継ぐべく、義誠の養子となります。そして、享保16年（1731年）2月21日に家督を相続し、藩主としての地位に就くことになります。この際、特に名前を改めることはありませんでした。

藩主としての彼の業績は、享保16年4月に従四位下、侍従・対馬守に任官されたことによって示されます。これにより、藩主としての任務を果たすことに対し、公式な地位が与えられました。しかし、宗方熈は義誠の嫡男である義如が成長するまでの一時的な存在と見なされており、享保16年（1732年）に義如が17歳に達したのを契機に、家督を譲ります。これにより、方熈は隠居の道を選び、民部大輔に遷任しました。

最期の生涯

宗方熈は、その後、権力の座から退いたものの、藩政において一定の影響力を持ちながら生きていきます。しかし、彼の生涯は宝暦9年（1759年）11月29日に対馬府中で終わり、享年64歳でした。彼の後を引き継いだのは、義如から偏諱を受けた長男の如連でした。

家族と系譜

宗方熈の家族についても触れておく必要があります。彼の父親は宗義真、母は慈眼院で、彼女は庄司勘左衛門の娘です。義誠を養父として迎え入れた後、正妻には樋口真連の娘である普照院を迎えました。また、方熈には長男の樋口如連があり、側室からは次男の高瀬蕃常と一人の女子（与曽）も授かっています。与曽は難波宗城の妻となりました。

方熈の亡き後、義如がその家督を引き継ぎ、藩主としての役割を果たします。宗家の系譜はその後も続き、歴史に名を刻んでいくことになります。宗方熈の唯一無二の存在としての影響は、対馬国府中藩の歴史の一部として大切に語り継がれていくことでしょう。

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