宗理起也

宗 理起也（そう りきや）

1972年、福岡県に生まれた宗 理起也は、日本の特殊メイクアーティスト、そして特殊造形家として、映像や舞台など多岐にわたるメディアの世界で活躍しています。

宗氏が特殊メイクや造形の世界に足を踏み入れたのは、中学・高校時代に映画のモデルアニメーションや特殊メイクに魅了されたことがきっかけです。友人であり、後に同じく特殊メイクアーティストとなる山田陽氏や二宮和彦氏らと共に、書籍などを頼りに独学で技術を磨き、作品制作に没頭しました。

高校を卒業後、宗氏はさらなる飛躍を目指し上京。フリーランスとしてキャリアをスタートさせた後、（株）メイクアップディメンションズでの経験を経て、特撮界で知られる原口智生氏が率いる中洲プロに合流しました。これらの彼の初期の歩みは、漫画家・西川伸司氏のドキュメンタリー漫画『九州三羽ガラス』の中で、主人公の一人として生き生きと描かれています。

様々な特殊メイク・特殊造形工房で経験を積み重ねた後、2000年に自身の造形工房「the Picture's Frogs.」を設立。この工房を主宰し、映画、テレビ番組、プロモーションビデオ、コマーシャル、舞台、イベントなど、幅広い分野で必要な特殊メイク、特殊造形物、特殊衣装の制作を手掛けています。工房には、宗志穂氏、上西夏紀氏らがスタッフとして在籍しています。

キャリアの転機として特筆されるのは、2006年9月から約一年間、文化庁による新進芸術家海外研修制度を利用して渡米したことです。この研修中、彼はアメリカの著名な工房である『CHIODO BROS.』、『PROTEUS MAKE-UP FX』、『Patrick Tatopouros Designs』にて研鑽を積み、国際的な視点と技術を吸収しました。帰国後、その経験を活かした活動を続けています。

また、後進の育成にも力を注いでおり、2009年からは京都造形芸術大学の映画学科において、年に数回、特別講義を担当。自身の豊富な経験や技術を学生たちに伝えています。

宗氏がこれまでに参加した作品は非常に多岐にわたります。代表的な映画作品としては、初期の『ゴジラvsデストロイア』、『ガメラ2 レギオン襲来』、『ガメラ3 邪神覚醒』といった特撮大作から、『HANA-BI』、『蛇にピアス』、『リバーズ・エッジ』、『52ヘルツのクジラたち』など、ジャンルを問わず数多くの作品に特殊メイクや造形を提供しています。テレビドラマでは『西遊記』、『私立探偵 濱マイク』などがあり、プロモーションビデオではGLAYやEXILE、the brilliant greenといった人気アーティストの作品にも参加。舞台では『ダブリンの鐘つきカビ人間』や新国立劇場のバレエ『くるみ割り人形』、オペラ『トゥーランドット』にも関わっています。その他、博覧会イベントやコンサートなども手掛け、その活躍の場は広がり続けています。

the Picture's Frogs.の公式サイトやIMDbなどの外部サイトでも、彼の活動の一部を確認することができます。宗理起也氏は、日本の特殊メイク・特殊造形の世界を牽引する重要な存在であり、その創造性と技術で、これからも様々な作品世界に驚きとリアリティをもたらしていくことでしょう。

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