宙犬トッピ

宙犬トッピ

『宙犬トッピ』は、藤子・F・不二雄によって創作された日本の漫画である。小学館の『別冊コロコロコミック』において1984年1月から同年6月まで連載された本作は、藤子不二雄の一人、藤本弘の単独執筆によるものであり、この期間にわずか6回の連載となった。

本作は、前作『宙ポコ』の短期連載に代わる目玉作品として登場した。『宙ポコ』が3か月で終了したのに対し、トッピはその後わずか半年で幕を下ろした。『宙ポコ』や『ミラ・クル・1』同様に、藤子不二雄が描くキャラクターたちは、『ドラえもん』を超える存在を目指すという意志を持って創出された。特に、本作の主人公であるコー作は、自らの問題を解決する姿勢が強調されており、作品には『キテレツ大百科』と共通する工作のテーマが見られる。

コー作は中学生に設定されており、思春期の複雑な心情が描かれている点が特徴だ。彼は自らラジコンのエンジンを設計・製作できるほど優れた才覚を持っている。物の実践を通じて技術や知識を吸収し、宇宙犬トッピとの出会いを経て、その友情を深め、様々な宇宙の道具を学びながら成長していく。

物語の中でトッピとの交流を通じて、コー作は相談なしに自らの知識を駆使して道具を自らの手で作り上げることが求められる。最終回では、コー作とトッピの別れが感情的に描かれ、短いながらも印象深いストーリーが展開される。1989年には中央公論社から単行本が刊行されたが、残念なことに現在では絶版となっている。

登場人物

• - 卓見コー作: 主人公であり、工作が得意な秀才。トッピから宇宙の道具を学び、自らの手でそれを作り出す。
• - トッピ: 宇宙の犬であり、コー作に様々な道具を教える。知能が高く、言葉を話せ、彼の受け取ったイメージを他者に伝える能力を持つ。
• - 青山みどり: コー作のガールフレンド。彼と共に遊んでいた幼少期の友だちであり、現在もデートする仲であるが、コー作の工作に夢中になる様子にやきもきする。
• - カバ口とネズミ: コー作いじめっ子コンビで、特にカバ口は大きな口が特徴。コー作の道具によってしばしば思わぬ目に遭う。

登場する道具

• - 重力コントローラー: 空を飛ぶための道具で、反重力を発生させる。
• - 人工ダイヤモンド: 非常に高価なダイヤモンドを角砂糖から作り出すことができる。
• - タイム手帳: 過去や未来に行ける手帳型のタイムマシン。
• - 晴れ雲: 特定の天候を調整できる装置。

このように、『宙犬トッピ』は短命ながらも多くの工夫やキャラクターの魅力にあふれた作品であり、多くの読者に愛された作品である。

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