宙組 (宝塚歌劇)

宙組について

宙組（そらぐみ、英称：Cosmos troupe）は、宝塚歌劇団における第5番目の組であり、1998年1月1日に創設されました。この組は、老朽化による東京宝塚劇場の建て替えを契機に、専用劇場で通年の公演を行うために新たに設立されたものです。組長には松風輝、副組長には秋奈るいが就任しています。イメージカラーは紫であり、組の特徴的な雰囲気を醸し出しています。

組の特色と歴史

宙組の設立は、公募による名称決定が行われ、既存の4つの組からメンバーが選抜されました。この際、団員む大規模な組替えが行われ、結果として長身の男役が多いことや、コーラスやアンサンブルにおける高い評価が得られました。2000年代以降は、特にコーラスのクオリティに対する評価が高まっており、観客に感動を与え続けています。

特筆すべきは、2012年に上演された『クラシコ・イタリアーノ －最高の男の仕立て方－』が文化庁芸術祭・演劇部門で優秀賞を受賞したことです。宙組が文化的な評価を受けていることを示す重要な成果となりました。

不祥事の影響

しかし、年月が経つにつれ、組内での不祥事が発生しました。2023年9月30日、入団7年目の娘役が自宅マンションの敷地内で倒れているのが発見され、現場の状況から自死の可能性があるとされました。この事故を受け、オンラインでの公演開始を翌日以降中止せざるを得なくなりました。

遺族は劇団に対し、過剰な業務の強要や上級生からのパワーハラスメントを訴えました。劇団は調査を行い、労働問題の存在を確認しましたが、いじめやパワーハラについては「確認できなかった」との見解を示しました。これに対して批判が集まり、特に村上浩爾専務理事の発言が物議を醸しました。

2024年3月28日には、遺族と宝塚歌劇団との間で合意が成立し、劇団側は14のパワハラ項目のうち多くを認め、遺族へ直接謝罪を行うことを約束しました。これにより、騒動には一定の決着が見られましたが、宙組のイメージには長期にわたる影響を与える結果となりました。

組の体制

宙組の現在の体制は、トップスターとして芹香斗亜が、トップ娘役には春乃さくらが在籍しています。彼らは2023年6月12日からトップを務め、宙組の新たな時代を築く役割を担っています。また、歴代のトップスターやトップ娘役が集結し、宙組の素晴らしい伝統を支えています。

歴代のトップスターには姿月あさと、和央ようか、大空祐飛などが名を連ね、彼らの公演は多くのファンを魅了しました。将来的には新たな才能が宙組を盛り上げていくことが期待されます。

今後の展望

2024年6月から宙組は特別公演「Le Grand Escalier」で再始動します。しかし、ファンの中には、故人の一周忌が終わるまでは休止すべきとの意見もあり、劇団の今後に対する期待と懸念が入り交じっています。再開初日に追悼の意を示さなかったことも批判を招いており、劇団はその対応をどう乗り越えていくかが問われる時期となっています。宙組の未来に目が離せません。

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