宝戒寺

宝戒寺（ほうかいじ）

宝戒寺は、神奈川県鎌倉市小町に位置する天台宗の寺院で、金龍山と号します。本尊は地蔵菩薩であり、萩の名所として広く知られ、「萩の寺」とも呼ばれています。

歴史

宝戒寺は、鶴岡八幡宮の三の鳥居前の道を右に進んだ突き当りにあります。この地は、北条義時以来の北条得宗家の屋敷跡と伝えられています。

鎌倉幕府の滅亡は、元弘3年（1333年）に、得宗家9代目当主であり、第14代執権であった北条高時が、新田義貞の軍に追い詰められ、葛西ヶ谷の東勝寺で自害したことに始まります。この時、一族郎党870余名も共に運命を辿りました。

宝戒寺は、北条高時の慰霊のため、後醍醐天皇がその屋敷跡に建立したとされています。足利尊氏の寄進状にはその旨が記されており、後醍醐天皇が円観慧鎮を開山として寺を造営しようとしたのは事実でしょう。しかし、実際の造営は、建武の新政が崩壊した後、足利尊氏らによって行われたと考えられています。

足利尊氏による寄進状には、宝戒寺の造営料として上総国武射郡小松村（現在の千葉県山武市）と出羽国小田島庄（現在の山形県東北部）の土地が寄進されたと記されており、この頃に宝戒寺の造営が本格化したことがわかります。

文化財

宝戒寺には、数々の貴重な文化財が所蔵されています。

木造地蔵菩薩坐像: 貞治4年（1365年）に仏師憲円によって作られた。
木造歓喜天立像: 秘仏であり、通常は公開されていません。像高155cmの大作。
木造惟賢和尚坐像: 寺の第2世住持である惟賢の肖像。応安5年（1372年）に造立された寿像。

神奈川県指定文化財

絹本著色仏涅槃図
木造梵天・帝釈天立像

拝観情報

拝観料:
大人: 300円
中学生: 200円
小学生以下: 100円
拝観時間:
夏時間（4月～9月）: 09時30分～16時30分
冬時間（10月～3月）: 09時30分～16時00分

アクセス

JR横須賀線 鎌倉駅東口より徒歩13分
江ノ電バス 「鎌倉八幡宮前」バス停下車 徒歩6分
京急バス 「大学前」バス停下車 徒歩2分

※ 駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。

鎌倉三十三箇所

宝戒寺は、鎌倉三十三箇所観音霊場の第二番札所です。

1番: 杉本寺
2番: 宝戒寺
3番: 安養院

まとめ

宝戒寺は、鎌倉幕府の終焉と深く関わる歴史を持ち、美しい萩の花が咲き誇る名刹です。貴重な文化財や静寂な境内は、訪れる人々に心の安らぎを与えてくれます。鎌倉散策の際には、ぜひ足を運んでみてください。

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