宝賀寿男

宝賀寿男について

宝賀寿男（ほうが としお）は、1946年4月17日生まれで、日本及び北東アジアの古代史や系譜の研究を専門とする学者です。彼は日本家系図学会の会長を務め、さらに家系研究協議会の二代目会長としても活動しています（2012年 - 2024年）。また、元大蔵省（現在の財務省）の官僚であり、2003年からは弁護士としても活躍しています。

経歴

宝賀は北海道で育ち、1969年に東京大学法学部を卒業した後、大蔵省に入省しました。彼は関税局の企画課に配属され、その後、国税庁や外務省（在中国大使館）、経済企画庁など、様々な役職で経験を積みました。1993年には富山県副知事に就任し、1995年には理財局のたばこ塩事業審議官として働きました。1998年には東京税関長に就任し、その後も関税局での大臣官房審議官を歴任しました。

1998年に退官した後は、中小企業総合事業団の理事兼中小企業大学校長として活動し、2003年からは弁護士としての道を歩み始めました。2017年には第二東京弁護士会に所属しています。

古代史関連の研究

古代史に対する宝賀の関心は大学在学中から芽生え、特に古代や中世の氏族の系譜に注目しました。官僚としてのキャリアの傍ら、彼は地道に研究を行い、古代氏族に関連する資料を探し続けました。特に、幕末から明治期の国学者鈴木眞年の業績に注目し、彼の系図研究の重要性を見いだしました。

1986年の彼の代表作『古代氏族系譜集成』では、鈴木眞年による古代氏族の系図研究を基に、多くの新しい知見を提示しました。これにより、歴史学界では鈴木眞年が再発見され、彼の業績への関心が高まりました。

宝賀はその後も鈴木眞年や中田憲信に関連する史料の収集を続け、関連する文献や資料の復刻にも尽力しています。さらに、彼の研究は「姓氏と家系」や「家系研究」などの雑誌に多数掲載され続け、古代氏族や歴史に関する論考を発表し続けています。

2012年からは「古代氏族の研究」シリーズの発刊を始め、これまでに18冊が刊行されています。これにより、古代氏族の研究に新たな視点を提供し続けています。また、国宝の「海部氏系図」に関しては、その偽作性についての疑問を提起しています。

評価と批判

宝賀の著作、特に『古代氏族系譜集成』は、近藤安太郎のような支持者によって非常に高く評価されています。しかし、一方で批判の声もあり、『古代氏族系譜集成』の研究に関しては慎重な態度を求める意見も存在します。

多くの著作で古代氏族を扱い、鈴木眞年による系図史料を引用しながら、歴史学の基礎となる系図の重要性を訴えています。その一方で、系図研究に対しての批判的な姿勢も崩さない姿勢が評価されています。また、歴史学界では系図が軽視されがちな中、宝賀はその重要性を広めようと努めており、系図研究の境界を広げています。

重要な著作

宝賀の主な著作には、『古代氏族系譜集成』全3巻や、その他古代氏族に関する研究書があり、彼の研究成果は今なお多くの研究者に影響を与えています。彼の業績は古代史や系譜の研究において欠かせないものとなっており、今後もその活動に注目が集まります。

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