宝鋼集団

宝鋼集団有限公司（Baosteel Group Corporation）

宝鋼集団有限公司は、中華人民共和国上海市に本拠を置いていた、鉄鋼業を中心とする大手国有持株会社です。通称は宝鋼（Baosteel）として知られていました。2016年12月に武漢鋼鉄集団との合併により、宝武鋼鉄集団として新たなスタートを切りました。合併前の粗[[鋼]]生産量では世界第1位を誇っていました。

概要

宝鋼集団は、製鉄業を主軸に、金属加工、資源開発、金融業など多岐にわたる事業を展開する巨大企業グループでした。特に製鉄業においては、イギリスの金属情報誌「メタル・ブリテン」によると、2021年のグループ粗[[鋼]]生産量は1億1500万トンに達し、アルセロールミタルを凌ぎ世界首位でした。これは、宝鋼集団が世界的な鉄鋼メーカーとしての地位を確立していたことを示しています。

宝鋼集団は、中国国務院の国有資産監督管理委員会が管理する国有企業であり、その傘下には、上海証券取引所に上場している宝山鋼鉄股份有限公司、新疆ウイグル自治区に拠点を置く宝鋼集団新疆八一鋼鉄有限公司、浙江省寧波市を拠点とする寧波鋼鉄有限公司など、複数の鉄鋼メーカーが存在しました。また、広東省湛江市での製鉄所建設を目指す広東鋼鉄集団有限公司も傘下に抱えていました。これらの企業群が、宝鋼集団の事業規模の大きさを物語っています。

沿革

宝鋼集団の歴史は、1977年に設立された上海宝山鋼鉄総廠に遡ります。この製鉄所は、日本の新日本製鐵（現在の日本製鉄）や川崎製鉄（現在のJFEスチール）から技術援助を受けて建設されました。日本の製鉄技術が、中国の鉄鋼業発展に貢献した一例と言えるでしょう。

その後、社名は宝山鋼鉄（集団）公司、上海宝鋼集団公司と変遷し、2005年に現在の宝鋼集団有限公司となりました。この間、企業の合併や再編を繰り返し、事業規模を拡大していきました。

主な沿革

1977年12月：上海宝山鋼鉄総廠として設立。
1985年9月：高炉に火入れ。
1993年7月：宝山鋼鉄（集団）公司に社名変更。
1998年11月：宝山鋼鉄、上海冶金控股（集団）公司、上海梅山（集団）公司を合併し、上海宝鋼集団公司に社名変更。
2000年2月：宝山鋼鉄股份有限公司を設立。
2005年10月：宝鋼集団有限公司に社名変更。
2007年4月：新疆八一鋼鉄がグループに加入。
2008年6月：広東鋼鉄集団を設立。
2009年3月：寧波鋼鉄を買収。
2016年10月：武漢鋼鉄集団と合併し、宝武鋼鉄集団が発足。
2019年5月：馬鋼集団との経営統合を発表。

関連事項

山崎豊子の小説「大地の子」に登場する宝華製鉄（ドラマ版では華宝製鉄）は、旧・宝山鋼鉄をモデルにしたとされています。このことからも、宝鋼集団が中国社会に与えた影響の大きさが窺えます。

外部リンク

宝鋼集団有限公司（中国語）
* Baosteel（英語）

もう一度検索