実教出版

実教出版株式会社について

実教出版株式会社は、主に高等学校用の教科書や、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校、職業訓練施設向けのテキストを発行している出版社です。また、不動産事業として、JS市ヶ谷ビルやJS築地ビルの賃貸、市ヶ谷女子学生ハイツの運営も行っています。同社は「実務教育出版」とは別の会社です。

歴史

1941年、「実業教科書株式会社」として設立されました。これは、実業学校向けの教科書を出版する業者たちが、戦時下の統合によって集まったことが始まりです。1942年には、現在の所在地である東京都千代田区五番町に移転しました。

1948年には、教科書『あたらしい憲法のはなし』を発行し、教科書検定制度の発足に伴い、高等学校向けの教科書の発行を開始しました。1949年には専門図書の発行も始め、1950年に現在の社名である「実教出版株式会社」に改称しました。

その後、1971年には理工学関係の図書、1974年には経済・経営関係の図書の発行を開始し、1980年には「市ヶ谷女子学生ハイツ」を建設し、営業を開始しました。

教科書

実教出版は、文部科学省検定済教科書の発行者番号7番を持つ出版社です。高等学校向けには、地歴、公民、数学、理科、家庭、情報、商業、工業、農業、福祉、水産、看護の12教科の検定教科書を発行しています。2015年度の高校教科書採択冊数は、4,393,890冊で、38社中第3位（シェア14.1%）の実績を誇ります。

特に、工業、商業、農業などの実業高校の分野で強みを発揮しています。また、社会、数学、理科、家庭科などの教科でも、平易で分かりやすい内容の教科書が評価されています。2003年に高等学校普通科で教科「情報」が始まった際には、実業高校で情報分野の教科書・教材を出版していた実績から、この分野でも強みを見せています。

教科書の誤植に関する出来事

2006年のセンター試験直後には、同社の政治・経済の教科書において、経済統計のグラフで国名のアメリカとイギリスが逆になっている誤りがあったことが指摘されました。この問題に対し、出版社は謝罪と訂正を行い、教科書検定を行った文部科学省も誤りを見逃したことを謝罪する事態となりました。この誤りは、センター試験に出題されたグラフとほぼ同一のものが教科書に記載されていることに気づいた群馬県の受験生によって発見されました。

外部リンク

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