実況パワフルプロ野球8

実況パワフルプロ野球8 (パワプロ8) 詳細解説

『実況パワフルプロ野球8』は、2001年8月30日にコナミ（現コナミデジタルエンタテインメント）から発売されたPlayStation 2用野球ゲームです。パワプロシリーズのPS2版2作目にあたり、開発はコナミコンピュータエンタテインメント大阪（現パワプロプロダクション）が担当しました。

ゲームの特徴

実況

実況アナウンサーは、おなじみの安部憲幸氏（元ABCアナウンサー）が担当。シリーズを通しての実況で、ゲームを盛り上げました。

概要

前作からグラフィックが大幅に進化し、雰囲気が一新されました。選手育成においては、野手に投手能力、投手に野手能力が設定可能になり、サクセスモードやペナントモードで「二刀流」選手の育成が実現しました。オープニングムービーに主題歌が導入されたのも本作からです。主題歌は米倉千尋さんの「Little Soldier」が使用されました。

発売日は当初2001年7月19日と発表されましたが、延期を繰り返し、最終的に8月30日に発売されました。

ゲームモード

対戦モード
ペナントモード
リーグモード
サクセスモード
アレンジモード
シナリオモード
* ホームラン競争

アレンジモードでは、登録選手をアレンジチームから外せるようになりました。チーム枠が拡大し、アレンジチームにも2軍が設けられています。ペナントモードではセ・パ同時進行の複数年ペナントが導入され、ドラフト会議やトレード、契約更改など、1年を通したイベントが多数追加されました。選手の心境が変化し、調子に影響を与える要素も取り入れられています。

ただし、COM球団がアンバランスなトレードを行う、日本シリーズが移動日なしの7連戦になるなどの不備も存在しました。

試合の翌日には、スポーツ新聞の一面記事が表示される演出がありましたが、メモリ容量の問題から、この機能は本作のみで廃止されました。

人事・育成

ドラフト会議では、各球団が地域ごとの候補選手情報を収集し、能力を調査。調査を通じて選手との友好度を高め、入団拒否を防ぐことが可能です。ドラフトは完全ウェーバー制で、下位チームから優先的に指名できます。シーズンオフには選手の解雇や引退、コーチ転身が可能。コーチの能力は選手育成に影響を与えます。

キャンプでは、通常練習よりも大きな効果が得られる他、投球・打撃フォームの変更、ポジションコンバートといった特別な練習も行えます。

サクセスモード「ドラフ島編」

今回のサクセスは「ドラフ島編」と題し、12球団がスカウトを行う架空の島が舞台です。プレイヤーはジムを巡り仲間を集め、スカウトの注目を集め、入団テスト合格を目指します。交通事故や爆弾といったバッドイベントが撤廃された一方、マップや選手の配置がランダムとなり、運要素が強くなりました。クリア自体は短時間で可能ですが、初期能力は固定パターンから選ばれる方式に変更されています。シナリオは過去作に比べ、架空の設定が多く、パワプロクンポケットシリーズに近い雰囲気を持っています。

11月20日までに特定の球団スタンプを3つ集め、入団テストに合格すればクリアとなります。セントラルタワーでは、コピーロボットとの対戦や、プロ野球OB選手による伝説最強戦に挑戦できます。勝利すれば多くの経験点を得てクリアできますが、敗北するとゲームオーバーとなります。

練習と友情タッグ

ジムでの練習を通じてコーチの評価を上げ、ジムをクリアするとスタンプやチケットを入手できます。練習メニューはランダムで決定されます。本作では、特定の仲間と練習することで友情タッグトレーニングが発生します。仲間との練習を怠ると評価が下がり、離脱してしまうこともあります。

試合

試合中のマニュアル操作は、街での試合と同様に、自分の登板時や打席時のみとなります。セントラルタワーの試合では、1回から全選手を操作できます。

主な登場人物

矢部明雄、猪狩守、早川あおい、ミッキー・バーミリオンなど、シリーズおなじみのキャラクターに加え、ドラフ島編オリジナルのキャラクターが登場します。各キャラクターとの友情を深め、共に成長していくのがサクセスモードの醍醐味です。

ホームラン競争

1選手または3選手でプレイし、制限球数内で何本ホームランを打てるかを競います。8本以上打つとOB選手が使用可能になります。

決定版での変更点

2001年12月20日には、「実況パワフルプロ野球8決定版」が発売されました。選手データやシナリオの変更に加え、固有フォームの追加、OB選手（落合博満）の追加、バグ修正、アイテム効果の調整など、システム面も強化されました。

まとめ

『実況パワフルプロ野球8』は、PS2初期のパワプロシリーズを代表する作品として、グラフィックの進化、新要素の追加、個性的なキャラクターなどが評価されています。サクセスモードの「ドラフ島編」は、賛否両論ありましたが、従来のシリーズとは異なる独特の世界観で、多くのファンを魅了しました。

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