実況パワフルプロ野球9

実況パワフルプロ野球9 (2002)

『実況パワフルプロ野球9』は、2002年7月18日にコナミから発売された野球ゲームです。開発は、現在のパワプロプロダクションであるコナミコンピュータエンタテインメント大阪が担当しました。同年12月19日には、『実況パワフルプロ野球9決定版』が発売されています。実況は辻よしなり氏が担当しました。

PlayStation 2に加え、ニンテンドーゲームキューブでも発売された点が特徴です。ただし、両ハード間ではサクセス選手のパスワードに互換性がありません。また、『パワプロクンポケット4』の選手パスワードはGC版のみ、『実況パワフルプロ野球2002春』のパスワードはPS2版のみ有効です。

ゲーム概要

PlayStation 2におけるシリーズ3作目にあたります。今作から観戦モード時の視点が、実際のテレビ中継のようなバックスクリーンからの視点が標準になりました。また、DH制がない場合、投手も代打として出場できるようになりました。

対戦モード

対戦時に、初心者向けの「ルーキー設定」が選択可能になりました。この設定では、守備と走塁がコンピュータによって自動で操作され、打撃操作はミートカーソルが自動追尾するロックオン機能が適用されます。

データ

「サクセス選手を見る、消す、パスワード表示」選択後、L/Rボタンで「人気者」「変化球中心」「強振多用」といった特殊能力を確認できるようになりました。

練習モード

前作までの「キャンプモード」と同等の内容です。「打撃練習」で実在投手を使用しない場合、打撃投手の代わりにピッチングマシーンが登場することがあります。

サウンドモード

応援曲や歓声の音量を調整できるようになりました。

ペナントモード

今回は10年の長期間を戦うことが出来るようになりました(ゲームを続行するかどうかは各年度のドラフト選手獲得後に選択できる)。フリーエージェント制や新外国人選手の発掘システムが導入され、選手の成長やサクセスモードで育成した選手がドラフト候補として登場するかなどの細かいオプション設定が可能になるなど、前作から改良されています。

新外国人選手発掘

スカウトに守備位置や能力タイプを指示して、新外国人選手を獲得できます。指示できる期間はペナント終了後から6月30日までです。選手の能力値は正確ではなく、入団後に初めて判明します。新外国人選手は、選手成長を「あり」にした場合、能力が大幅に上昇または下降するイベントが発生する可能性があります。

FA交渉

契約更改後にFA宣言した選手を獲得できます。FA残り年数が0年になった選手のうち最大4人がFA宣言します。希望球団などが提示されるので、獲得を希望するチームは選手を選択します。FA移籍元球団はFA宣言選手を選択できません。全チームの獲得希望が出そろった後で、入団球団が決定します。

コーチ

選手の成長を「あり」にした場合、OB選手をコーチとして選択できます。コーチの持つ特殊能力を選手に伝授することが可能です。

選手の心境

選手の心境が設定されており、同じポジションの選手を複数獲得したり、試合に出場させなかったりすると、選手の不満が溜まり、FA宣言しやすくなります。

ホームラン競争

従来のホームラン競争に加え、「それいけ!ホームランくん」モードが追加されました。

それいけ!ホームランくん

モード専用キャラクター「ホームランくん」を操作して、地方球場から福岡ドームまでのフランチャイズ11球場を巡るモードです。ホームランを打った飛距離だけ進めるシステムで、クリアまでのプレイ時間が非常に長いです。決定版では、999人とマラソンのように走る「はしれー!ホームランくん」が追加されました。

サクセスモード

今回のテーマは「熱闘高校野球編」です。5つの高校から一つを選び、甲子園出場とプロ入りを目指します。時系列的には『7』の前の話とされ、男女混合チームの出場が認められるという設定が、後のシリーズに影響を与えました。

システム上の変更点

• - 継承選手: サクセスモード開始時に、以前作成した選手を継承選手として登場させることができます。
• - 足爆弾: 野手にも「爆弾」が発生するようになり、怪我に注意して練習する必要があります。
• - 初期能力: ポジションごとに設定されたランダムの数値から選択されるようになりました。
• - クリスマスプレゼント: 「彼女」がいる状態でクリスマスを迎えると、特殊能力を取得できるプレゼントをもらえます。

今作の「パワフル高校」と「あかつき大学付属高校」2シナリオは、Switch版のサクセスシナリオとして収録・リメイクされています。

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