室井克義

室井克義について

室井克義（むろい かつよし）は、1951年4月23日生まれの日本を代表する北イタリア料理シェフです。東京都で生まれ育った彼は、1971年に山形県酒田市の『ル・ポット・フー』で修業を開始し、料理人としてのキャリアをスタートさせました。彼はその後、1977年と1979年にイタリアに渡り、ホテル・クラリッジなどで本格的なイタリア料理の技術を磨きました。

帰国後、室井は日本のイタリアンシーンにおいて重要な役割を果たしました。まずは『ビザビ』のシェフとして腕を振るい、その後、ホテル西洋銀座の『リストランテ・アトーレ』で17年間料理長を務めました。1986年にはこのレストランで、日本初のホテル内イタリアン・ダイニングを手掛けるという業績を成し遂げました。彼の料理は多くの人々に愛され、その活躍は日本のイタリア料理の認識を大きく変えるものでした。

室井は2003年に銀座に新たなレストラン『エム・ディ・ピュー』をオープンし、さらに2007年4月には汐留のイタリア街に2号店『ラ・ロッジア』を開店させました。また、2010年には文京区本駒込に『リセット』をオープンしましたが、この店舗は2016年11月に営業を終了しました。

資格・業績

室井克義は、多方面でその才能を発揮してきました。1988年には「日本イタリア料理協会」を設立し、その事務局長に就任。1989年には、高円宮邸でイタリア料理を振る舞い、皇族に初めてイタリア料理を提供したシェフとなりました。この歴史的な出来事は、彼のキャリアにおいて重要なマイルストーンです。

1991年には、ピエモンテ州・アスティに外国人を対象とした料理学校「ICIF」を開校。さらに、1996年にはイタリアで開催される米料理の世界大会で、日本人初のグランプリを受賞する業績を残しています。これに加えて、彼は日本でソムリエ試験を受験した最初のシェフでもあり、日本にティラ・ミ・スやバーニャ・カウダを紹介した先駆者としても知られています。

著書

室井は料理に関する書籍も執筆しており、以下の著書が存在します：

• - 『四季の食卓-料理・ワイン賛歌』(鎌倉書房、1989)
• - 『地中海式ダイエット-ヴィーナスの食卓』(TBSブリタニカ、1990)
• - 『イタリアン・アウトドア・クッキング-プロの技に遊ぶ』(柴田書店、1996)
• - 『プロが教える新・おかず』(柴田書店、1998)

室井克義は、料理人としての豊かな経験と卓越した技術を持ち、イタリア料理界に多大な貢献を果たしてきた人物です。彼の料理スタイルや影響力は、今後も多くの食文化に影響を与え続けることでしょう。

もう一度検索