宮下忠雄 (経済学者)

宮下 忠雄（みやした ただお）

宮下忠雄は1909年2月7日に長野県上田市で誕生した日本の著名な中国経済学者です。彼の学問的なキャリアは、名古屋高等商業学校（現・名古屋大学経済学部）で始まり、田中金司から学びながら1929年に卒業しました。その後、神戸商業大学（現・神戸大学）に進学し、1932年に卒業しました。

経歴

卒業後、宮下は東亜同文書院の教授に就任し、1941年には母校である神戸商業大学の助教授に任命されました。神戸商業大学が1944年に神戸経済大学に改称されたため、以降も同大学にて助教授として教壇に立ちました。

太平洋戦争後

1947年、教授に昇進し、1949年に新制大学が発足する際には神戸経済大学が神戸大学に統合されました。その後、1952年からは神戸大学経済学部の教授として活躍し、同年に彼の学位論文『近代中国銀両制度の研究』を神戸大学に提出し、経済学博士の学位を取得しました。

宮下は1964年から1966年まで経済学部長を務め、1972年には神戸大学を定年退官し名誉教授となりました。その後も近畿大学商経学部の教授として教鞭を取っていましたが、1990年にこの世を去りました。彼の死去に際し、叙従三位に叙されました。

受賞・栄典

宮下は、その業績に対して多くの評価を受けており、1980年には勲二等瑞宝章を受章しています。また、死後の1990年には叙従三位の栄誉にあずかりました。

著作

宮下忠雄の業績の一部は多くの著書や論文にまとめられています。彼は以下のような著書を共著または編著しており、中国経済の研究に貢献しました。

• - 『現代の世界(3)東アジア』衛藤瀋吉、佐藤慎一郎共編（ダイヤモンド社、1970年）
• - 『中国経済の国際的展開』上野秀夫共著（ミネルヴァ書房、1975年）
• - 『中国革命と通貨政策』豊田隆明共著（所書店、1978年）

また、訳書には『支那通貨論：金及び銀取引の研究』エドワード・カン著、東亜同文書院支那研究部（1934年）があり、当時の中国の経済情勢や貨幣制度の研究を行っています。

論文

宮下忠雄の研究は数多くの論文にも反映されており、彼の中国経済に対する視点や分析は、当時の学界において重要な役割を果たしました。

このように、宮下忠雄は中国経済の研究において多大な貢献を果たし、その教えは多くの学生や後進の研究者に受け継がれています。彼の業績は、今もなお日本の経済学の発展に寄与しています。

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