宮之原謙

宮之原 謙（みやのはら けん）

宮之原謙は、1898年2月9日に鹿児島市で生まれた著名な陶芸家である。彼は長いキャリアを持ち、日展の理事や参与、光風会の理事など多くの重要な役職を歴任し、日本の陶芸界に多大な影響を与えた。1950年には日展の参事に就任し、1969年には理事としてその活動に関与した。

教育と陶芸の道のり

宮之原は麹町小学校そして旧制麻布中学校を卒業した後、早稲田大学の建築科に入学するも中退する。その後、1924年頃に川端画学校で学び、山之内高門から日本画、宮川香山から陶芸を学ぶ。この期間に、彼はさらに板谷波山に師事し、陶芸の技巧を磨いた。

彼の芸術的なキャリアは1927年に始まり、同年に「東陶会」の創立に参加した。その後、1929年に開催された第10回帝展には「鉄砂釉竹又陶製花器」で初めて入選し、岡倉由三郎からインド哲学を学んだことも彼の創作に影響を与えた。

帝展での成功と影響力

宮之原は1931年の第12回帝展に壁面照明「銀河」を出品し、翌年の第13回帝展にも釉薬象嵌「十字文花瓶」を出品し、連続して特選を受賞した。1933年には帝展無鑑査となり、彼の名声は確固たるものとなった。さらに、彼は佐々木象堂と共に「新潟陶苑」を設立し、越路焼の技術指導にも取り組んだ。

受賞歴と重要な作品

彼の陶芸は高く評価され、1956年には日本芸術院賞を受賞した。著名な作品には「空」、「泰山木大皿」、「挿花用花瓶一対」、「牡丹文窯変花瓶」、「彩盛上花瓶」などがあり、これらは彼の陶芸家としての才能を象徴している。

アートコミュニティへの貢献

戦後、宮之原は日展を中心に審査員としても活動し、彼自身の作品だけでなく他のアーティストの支援にも尽力した。彼はその後も1973年までの日展参与として活動し、日本の陶芸界の発展に貢献した。

結語

1977年8月23日に彼が亡くなるまで、宮之原謙は日本の陶芸界の重鎮として多くの後進に影響を与え続けた。彼の作品や活動は今日でも陶芸愛好者や研究者にとっての貴重な教材であり、日本の文化遺産の一部として受け継がれている。

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