宮井仁美

宮井 仁美

宮井 仁美（みやい ひとみ）氏は、1985年3月18日に香川県で生まれた日本の元陸上競技選手です。主に長距離種目を専門とし、現役時代には世界の舞台で活躍しました。特に2005年には、フィンランドのヘルシンキで開催された世界陸上選手権の女子10000mに出場し、日本代表としての役割を果たしています。

経歴

香川県立津田高等学校在学中は、高知国体の少年女子共通3000mで9分18秒50の記録を出し6位に入賞するなど、一定の成績を残していましたが、全国的にはまだあまり知られていない存在でした。しかし、2002年6月に行われた日本ジュニア選手権で見せた軽快かつ伸びやかな走りが、日本の陸上界において数々の名選手を育て上げた指導者として知られる小出義雄氏の目に留まる大きなきっかけとなります。

高校卒業後、宮井氏は実業団の強豪である豊田自動織機に入社。同時に、小出氏が率いる佐倉アスリート倶楽部にて、その独自の指導を受けることになりました。小出氏の指導の下、着実に力をつけ、長距離選手としての才能を開花させていきます。

飛躍の2005年

宮井氏のキャリアにおいて、2005年は特に目覚ましい飛躍を遂げた年となりました。同年4月24日に開催された兵庫リレーカーニバル女子10000mでは、自身にとって初めての10000m挑戦ながら、31分41秒60という当時の日本歴代最高記録（初10000mとして）を樹立しました。この記録は、世界選手権参加標準記録A（31分40秒00）には惜しくもわずかに及ばないものでしたが、そのポテンシャルの高さを示すには十分でした。

この好記録から間もなく、6月に行われた日本選手権女子10000m決勝に出場。ここで宮井氏は、さらに記録を更新する31分37秒24をマークし、見事に世界選手権参加標準記録Aを突破しました。この結果、自身初となる世界最高峰の舞台、ヘルシンキ世界陸上選手権への日本代表入りを果たしたのです。

2005年8月に開催されたヘルシンキ世界陸上選手権女子10000m本番では、世界の強豪選手たちと肩を並べ、31分43秒74のタイムで18位という成績を収めました。世界陸上という大舞台での経験は、彼女の競技キャリアにおいて貴重な財産となったことでしょう。

その後のキャリア

実業団選手として活躍した後、宮井氏は指導者としての道に進みます。2008年からは、女子陸上競技部の強豪として知られるホクレンにて、アシスタント・コーチとしてチームを支える立場となりました。現役時代の経験を活かし、後進の育成に携わっています。

主な成績

2002年 よさこい高知国体少年共通 3000m 6位
2004年 香川丸亀ハーフマラソン 2位
2005年 兵庫リレーカーニバル 10000m 6位
2005年 日本選手権 10000m 4位
2005年 ヘルシンキ世界陸上選手権 10000m 18位
2005年 全日本実業団対抗陸上競技選手権大会 10000m 4位

自己ベスト記録

1500m：4分23秒34（2004年 日本選手権）
3000m：9分10秒39（2004年 東日本実業団対抗陸上競技選手権大会）
5000m：15分25秒52（2005年 東日本実業団対抗陸上競技選手権大会）
10000m：31分37秒24（2005年 日本選手権）
* ハーフマラソン：1時間10分46秒（2004年 香川丸亀国際ハーフマラソン）

宮井仁美氏は、高校時代に無名ながらもその才能を見出され、名指導者の下で世界の舞台へと駆け上がった選手であり、その後は指導者として陸上界に貢献を続けています。

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