小出義雄

小出義雄について

概要

小出義雄（こいで よしお、1939年4月15日 - 2019年4月24日）は、陸上競技の指導者であり、マラソン及び中距離選手の育成に尽力した実績を持つ人物です。千葉県佐倉市出身で、順天堂大学の客員教授も務めました。彼の特徴として、圧倒的な存在感を持つ大きなサングラスをかけた姿が印象的でした。家族には、実子にあたる小出正子や、婿である高橋健一がいます。

来歴

小出は千葉県立山武農業高等学校を卒業するものの、農業の道に進むには陸上競技への情熱が捨て切れず、独自の道を模索しました。電話工事のアルバイトをしながら、昭和高圧で駅伝部に所属し、陸上を続けました。22歳で順天堂大学体育学部に入学し、箱根駅伝に3年連続で出場するなど、運動能力を発揮しました。

大学卒業後は体育科教員となり、千葉県の公立高校で教鞭を取り、数々の選手を指導しました。特に、千葉県立長生高校、佐倉高校、市立船橋高校で活躍した選手の指導が記憶に残ります。1986年には、市立船橋高校を第37回全国高等学校駅伝競走大会で優勝に導きました。その後、リクルート・ランニングクラブの監督に就任し、1997年には積水化学工業に移籍。その後、2001年に佐倉アスリート倶楽部（SAC）を設立しました。

2019年4月24日、肺炎のために逝去しましたが、彼の残した足跡は多くの選手たちに影響を与え続けています。

指導者としての影響

小出は、日本の陸上競技界における女性長距離種目の可能性を早くから評価し、多くの女性選手を育成しました。彼は特に「ほめて育てる」というスタイルの指導法で知られていますが、同時に選手の個性に合わせた適切な指導も心がけていました。選手が負けた際には、自己責任を強調せずに優しく接する姿勢も評価されています。

2019年には、名古屋ウィメンズマラソンが彼にとっての最後の大会となり、その場には彼が育成した選手たちも集まりました。これは、小出とその教え子たちとの絆を示す感動的な瞬間となりました。

人物像

豪放磊落で酒が好きな性格であった小出は、教え子たちとの交流やコミュニケーションを大切にしていました。特に、シドニーオリンピックで金メダルを獲得した高橋尚子選手に対して、勝利を確信し祝杯をあげたエピソードは印象に残ります。また、陸上部の顧問を務めていた妻との関係も注目されます。

小出は教育者でもあり、スポーツ界での育成方法を探求し続け、数多くの著書を残しました。これらの著書や教材は、今なお多くの指導者や選手に活用されています。

陸上競技の功績

現役時代にはマラソン競技でも優秀な成績を収め、関東インカレでは2時間28分21秒のタイムを記録しました。箱根駅伝の歴史でも、その活躍は光ります。彼が設立した佐倉アスリート倶楽部は、現在も多くの選手の育成に力を注いでいます。

名声を讃えて

小出の逝去を受けて、故郷の佐倉市は彼の功績を称え、岩名運動公園陸上競技場を『小出義雄記念陸上競技場』と改称しました。これは、小出の影響が今なお生き続けていることを示す象徴とも言えます。彼が陸上競技界にもたらした貢献と、その後の選手たちへの指導は決して忘れられることはないでしょう。

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