宮原旭

宮原旭の生涯と業績

宮原旭（みやはら あさひ、1904年5月24日 - 1983年12月10日）は、昭和期における航空機技術者、政治家、そして華族の一人です。彼は貴族院男爵議員としても知られ、航空技術の発展に大きく寄与しました。

幼少期と教育

宮原は東京府荏原郡大森で生まれ、父は海軍機関総監であった宮原二郎です。父の死去により、彼は1918年に男性爵位を襲爵します。学業においては1923年に学習院高等科を卒業し、翌年にイギリスへ留学することになります。グラスゴー大学で航空工学を学び、1930年に卒業を果たしました。この期間中、彼は実習生としてウエストランド社で仕事をするなど、航空機技術における実務経験を積んでいきました。

航空機技術者としてのキャリア

1931年に帰国後、宮原は三菱航空機名古屋航空機製作所に入社し、陸海軍機の設計に従事します。その後、日本小型飛行機の取締役兼技師長としてのキャリアを築き、1939年には貴族院の男爵議員に選出されました。彼は公正会に所属し、1947年の貴族院廃止までの間、議員を務めました。

政治活動とその後の人生

1942年には内閣技術委員に就任し、政治活動にも関与するようになります。しかし、貴族院議員を退任した後は収入が不安定となり、土地の賃貸や農業に従事しながら生活を始めました。1949年には相模工業の取締役に就任し、1960年代には軽飛行機開発株式会社を設立し、グライダーの製造に挑戦しますが、競争の激化により1975年には製造を終了せざるを得ませんでした。

自作航空機と日本航空界への貢献

1962年、朝日新聞社のコンテストで軽飛行機の設計案を提出し、見事に受賞します。また、1968年には日本自作航空機協会を設立し、会長として自作航空機の普及活動を行いました。1981年には「TOKYO-SKY-NUTS」グループを結成し、超軽量動力機の設計に取り組みますが、初飛行を前にして他界しました。

設計に関わった航空機

宮原が設計に関与した機種には、様々なグライダーや軍用機があり、彼の技術は日本の航空機産業に大きな影響を与えました。

家族

宮原には妻の寿子との間に長男・弘光がいます。弘光はブリヂストン二代社長の娘と結婚し、政治家の鳩山由紀夫とも親戚です。

最後に

宮原旭の生涯は、日本の航空技術の発展と密接に関連しており、彼の努力や業績は、今日の航空界においても多大な影響を与え続けています。彼が築いた礎は、後の世代の技術者たちに引き継がれています。

もう一度検索