宮坂昌之

宮坂昌之：免疫学を究める生涯

宮坂昌之氏は、1947年生まれの日本の医学者であり、その専門は免疫学と実験病理学です。現在は大阪大学免疫学フロンティア研究センターの招へい教授として活躍されています。

特筆すべきは、東京医科歯科大学名誉教授である宮坂信之氏が双子の弟であるということです。兄弟揃って医学の道を歩み、日本の医学界に貢献している点が興味深いところです。

長野県上田市出身の宮坂氏は、上田高等学校時代には剣道に打ち込み、インターハイ出場という輝かしい実績を残しています。その後、京都大学医学部に進学し、1973年に卒業。卒業後は、田附興風会北野病院内科に勤務した後、金沢医科大学血液免疫内科へと移り、助手として研鑽を積みました。

1977年には、オーストラリア国立大学ジョン・カーティン医学研究所へ留学。1981年には免疫学博士号を取得し、その後はスイスのバーゼル免疫学研究所で研究者として活躍しました。研究グループの主宰者(PI)を務めるなど、国際的な舞台で活躍の場を広げています。

帰国後、1987年には東京都臨床医学総合研究所（現：東京都医学総合研究所）に迎えられ、免疫研究部門室長、部長として研究を牽引。1994年には大阪大学医学部バイオメディカル教育研究センター教授に就任し、1999年には同大学大学院医学系研究科教授も兼任しました。

2012年に大阪大学を定年退官後は名誉教授となり、同年4月からは大阪大学国際共創大学院学位プログラム推進機構において特任教授として、2019年3月まで教育に携わりました。

その間、精力的に研究活動を行うとともに、数多くの著書、編著書を発表し、免疫学の普及にも大きく貢献しています。主な著書には、『免疫力を強くする 最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ』『新型コロナ7つの謎 最新免疫学からわかった病原体の正体』『新型コロナの不安に答える』など、一般向けに分かりやすく免疫学を解説したブルーバックスシリーズの書籍があります。また、『標準免疫学』のような専門書も編集しており、幅広い読者層に免疫学の知識を伝える役割を果たしています。その他にも、共著や編著、監修など、多くの出版物に携わっています。

宮坂昌之氏の経歴は、まさに国際的な舞台で活躍する第一線の免疫学者としての歩みを物語っています。剣道で培った精神力と、留学で得た国際的な視野、そして長年にわたる研究活動は、日本の免疫学研究の発展に大きく貢献していることは間違いありません。今後のご活躍にも期待がかかります。

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