宮城ナナ

宮城ナナ：ダブルスの女王、そしてシングルスの闘士

宮城ナナ選手は、1971年アメリカ・ワシントン州シアトル生まれの女子プロテニス選手です。カナダ系アメリカ人の父親と日本人の母親を持ち、13歳で沖縄へ移住。類まれな才能で、女子テニス界に大きな足跡を残しました。

彼女のキャリアは、1988年のプロ転向から始まります。すぐにダブルスの才能を開花させ、数々のパートナーとペアを組みながら、息の長い活躍を続けました。WTAツアーでシングルス優勝こそありませんでしたが、ダブルスでは10勝という輝かしい成績を収め、自己最高ランキングはダブルス12位にまで上り詰めました。シングルスでも最高世界ランキング51位を記録するなど、その実力は世界レベルでした。両手打ちのフォアハンドとバックハンドを武器に、数々の名勝負を繰り広げました。

特に、1990年のOTBオープンでの女子ダブルス初優勝は、彼女のキャリアの大きな転換点となりました。その後も、様々な選手とペアを組み、息の長い活躍を続けました。ヤユク・バスキ選手とのペアは、彼女にとって大きな飛躍をもたらしました。1993年の全豪オープンでは、4大大会女子ダブルスで初戦突破、3回戦進出という快挙を成し遂げています。また、同年全米オープンでは準決勝進出を果たすなど、世界の強豪相手に素晴らしい成績を残しました。

雉子牟田直子選手とのペアも、彼女のキャリアにおいて重要な役割を果たしました。1997年から1998年にかけて、このペアは女子ツアーでダブルス3勝を記録。オーストラリアのゴールドコーストとホバートでの2週連続優勝、全豪オープンベスト8進出など、数々の記憶に残る活躍を見せました。さらに、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンで3大会連続ベスト16進出を果たすなど、4大大会でも素晴らしい成績を収めています。このペアでの活躍は、宮城選手のダブルス10勝の中でも特に輝かしいものとなっています。1998年には、全豪オープンでビーナスとセリーナのウィリアムズ姉妹ペアを破るという快挙も成し遂げました。

ダブルスでの活躍が顕著でしたが、シングルスにおいても数々の実績を残しています。1996年のインドネシア・スラバヤ大会では準優勝、1992年の台北大会、1994年のニチレイ・レディース、1995年のジャパン・オープンではベスト4進出を果たしています。1989年のカナディアン・オープンではベスト8進出、1994年のニチレイ・レディースではリンゼイ・ダベンポート、ザビーネ・ハックらを破って準決勝に進出するなど、シングルスでも強豪相手に善戦しました。

さらに、アメリカでは都市対抗のチームテニスにも参加し、1998年には“World TeamTennis Rookie of the Year”を受賞。フェドカップの日本代表としても、1989年から2000年まで活躍し、日本の女子テニス界を牽引しました。2000年のシドニーオリンピックでは杉山愛選手とペアを組み出場、2002年にはジャパン・オープンで浅越しのぶ選手とのペアで優勝を果たしています。

2006年3月のアメリカ・カリフォルニア州レッディング大会を最後に、彼女の試合出場記録は途絶えました。しかし、その輝かしいキャリアは、日本の女子テニス史に永遠に刻み込まれることでしょう。ダブルスの名手として、そしてシングルスの闘士として、宮城ナナ選手は、多くのテニスファンに感動と興奮を与え続けました。肩の故障など、幾多の困難を乗り越えながら、持ち前の明るさと強さでコートを駆け巡った彼女の姿は、今も多くの人の記憶に鮮やかに残っています。

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