リンゼイ・ダベンポート

リンゼイ・ダベンポート（Lindsay Davenport、1976年6月8日 - ）は、アメリカ・カリフォルニア州パロスベルデ出身の元女子プロテニス選手です。189cmの長身と79kgの恵まれた体格から繰り出すパワフルなテニスを持ち味とし、右利きの両手バックハンドストロークを武器に活躍しました。

プロ入りと初期の活躍

ダベンポートは、バレーボール選手の両親の元に生まれました。父のウィンク・ダベンポートは1968年のメキシコオリンピックに出場した経験を持っています。5歳からテニスを始めたダベンポートは、1992年の全米オープンジュニアで単複優勝を果たすなど、早くからその才能を発揮していました。1993年2月に16歳でプロ転向をすると、翌1994年にはWTAツアー選手権に初出場し、いきなり決勝に進出しました。

オリンピック金メダルとグランドスラム初制覇

1996年のアトランタオリンピックでは、女子シングルス決勝でアランチャ・サンチェス・ビカリオを破り、金メダルを獲得しました。そして1998年の全米オープンでは、決勝でマルチナ・ヒンギスを破り、念願の4大大会シングルス初優勝を達成しました。この優勝は、1986年の全仏オープンのクリス・エバート以来、12年ぶりにアメリカ人女子選手によるグランドスラム制覇となりました。この活躍により、ダベンポートは1998年10月12日付で初の世界ランキング1位に輝きました。

1999年のウィンブルドン単複制覇と4大大会3冠

1999年のウィンブルドンでは、決勝でシュテフィ・グラフを破り、シングルス優勝を果たしました。さらに、この大会ではコリーナ・モラリューとのペアで女子ダブルスでも優勝し、単複2冠を達成しました。2000年の全豪オープンでは、決勝で再びマルチナ・ヒンギスを破り、ヒンギスの全豪4連覇を阻止し、4大大会3冠を達成しました。しかし、同年のウィンブルドンと全米オープンでは、ビーナス・ウィリアムズに決勝で敗れ、ウィリアムズ姉妹との対決では後塵を拝する時期もありました。

一時引退からの復帰と殿堂入り

2004年のウィンブルドン準決勝でマリア・シャラポワに敗れた後、一時引退をほのめかしましたが、その後の好成績により世界ランキング1位に返り咲き、引退を撤回しました。2005年の全豪オープンとウィンブルドンでは、それぞれ決勝に進出したものの、セリーナ・ウィリアムズとビーナス・ウィリアムズに敗れ、準優勝に終わりました。2006年に出産のためツアーを離れましたが、2007年に復帰すると、インドネシア・バリ島大会で優勝を飾るなど、その実力を証明しました。2008年には、北京オリンピックの女子ダブルスにも出場しました。2010年には、スタンフォード大会のダブルスで優勝しましたが、その後は公式戦への出場はありません。2014年には、国際テニス殿堂入りを果たしました。

プレースタイルと実績

ダベンポートのプレースタイルは、その長身を生かした力強いサーブと、両手バックハンドからの強烈なストロークが特徴でした。WTAツアーではシングルス55勝、ダブルス38勝を挙げ、4大大会ではシングルスで3勝、ダブルスでも3勝を記録しました。

結婚と家族

2003年4月25日に元プロテニス選手のジョナサン・リーチと結婚しました。ジョナサンは、ダブルスの名選手であったリック・リーチの弟で、現在は投資銀行勤務のビジネスマンです。ダベンポートは4人の子供をもうけています。

主な戦績

4大大会シングルス優勝
全米オープン（1998年）
ウィンブルドン（1999年）
全豪オープン（2000年）
4大大会ダブルス優勝
全仏オープン（1996年）
全米オープン（1997年）
ウィンブルドン（1999年）
WTAツアーシングルス優勝：55回
WTAツアダブルス優勝：38回
オリンピック金メダル：1個（1996年アトランタオリンピック）
国際テニス殿堂入り（2014年）

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