宮城淳

宮城淳: 日本テニス界の伝説

宮城淳（みやぎ あつし、1931年10月19日 - 2021年2月24日）は、東京都大田区出身の著名な男子テニス選手です。早稲田大学を卒業した後、ゼネラル物産で働きながら、彼のテニスキャリアを築きました。身長172cm、体重61kgの宮城は、特にダブルスにおいて卓越した才能を示し、1955年の全米選手権において加茂公成とペアを組み、男子ダブルスで見事優勝を果たしました。これにより、彼は日本人選手として唯一のグランドスラム男子ダブルス優勝者となりました。

初期の経歴とテニスとの出会い

宮城淳は、技術者である宮城喜三郎の長男として、田園調布に生まれました。テニスは家族の趣味であり、姉の宮城黎子も同じくテニス選手でしたが、淳が競技を始めたのは大学入学後のことでした。早稲田大学のテニス部に入部し、福田雅之助の指導を受けた彼は、1952年から男子テニス国別対抗戦・デビスカップの日本代表選手として選ばれ、国際舞台での経験を積みました。

初参加した1952年のデビスカップでは、アメリカの強豪チームに0勝5敗と敗北を喫しましたが、その中でも宮城はシングルスの試合に抜擢され、早くも存在感を示しました。次第に彼は、ダブルスでは加茂公成とのペアが大きな成功を収めるようになり、1954年には全日本テニス選手権で男子シングルス及びダブルスの両方で初優勝を果たしました。

全米選手権での栄光

1955年、デビスカップに新たに「東洋ゾーン」が設けられ、日本での開催が初めて可能となりました。この年、宮城と加茂の組は全米選手権で歴史的な勝利を収めます。ダブルスの決勝では、様々な気象条件によって困難な状況の中、見事にフルセットで逆転勝利を収め、ついに日本人選手としての4大大会男子ダブルス優勝を実現しました。この勝利は、日本テニス史における重要な出来事と位置付けられています。

その後のキャリアと退役

宮城は1952年から1955年の間に全米選手権に出場し、最高成績は2回戦進出でしたが、全日本テニス選手権では4度もシングルスとダブルスの“単複2冠”を達成しました。1962年には混合ダブルスでも優勝し、国際大会における多彩な才能を証明しました。1962年から1963年には日本代表監督も務め、引退後も母校早稲田大学の監督や日本テニス協会の役職に就くなど、日本テニス界に多大な影響を与えました。

彼は2021年2月24日、膀胱がんのため、東京都世田谷区の介護施設で89歳という年齢で逝去しました。彼の偉業と功績は多くの人々に記憶され、テニス界の発展に寄与した偉大な選手として称えられ続けることでしょう。

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