加茂公成

加茂公成 - 日本テニス界のレジェンド

加茂公成（かもこうせい）は、1932年5月10日に東京都目黒区で生まれ、2017年1月6日に惜しまれつつこの世を去った。彼は日本の男子テニス界で数々の偉業を成し遂げた選手として知られており、特に1955年に全米選手権の男子ダブルスで優勝したことがその代表的な業績である。この優勝は、日本人テニス選手として唯一の4大大会男子ダブルス制覇として名を刻んでいる。

テニス一家の一員

加茂家はテニス一家として知られ、彼自身も4人兄弟の末っ子である。姉の加茂幸子と兄の加茂礼仁も、戦後日本を代表するテニス選手であり、その影響を受けながら育った。公成という名前はフランスの名選手アンリ・コシェに由来しており、幼い頃からテニスに親しみ、才能を開花させていった。

早稲田大学の庭球部では、福田雅之助の指導の下、兄弟で切磋琢磨しながら実力を高めていった。1949年と1950年には、全日本テニス選手権混合ダブルス部門で姉とペアを組んで連覇を達成するなど、早くからその才能を証明した。

競技人生のハイライト

1952年の全日本テニス選手権では男子シングルス決勝に進出したものの、残念ながら隈丸次郎に敗北。翌年には、兄の礼仁と男子シングルス決勝で対戦し、弟公成がストレート勝ちを収める。これが彼の初全日本チャンピオンの座をつかむきっかけとなった。

1953年からはデビスカップ日本代表に選ばれ、チームメンバーとして活動を開始する。1945年の敗戦後、デビスカップに復帰した日本で、公成はシングルス2試合とダブルス戦に出場し、徐々に頭角を現す。1954年には自身初のデ杯勝利を飾るなど、国際舞台でも活躍する。

全米選手権での栄光

1955年の全米選手権では、加茂と宮城淳のペアが日本人男子選手初の4大大会優勝を果たす。この年の全米選手権は天候が悪化し、試合が遅延する異常事態に見舞われたが、彼らは忍耐強く待った結果、決勝でジェラルド・モスとウィリアム・キランのペアに勝利する。これは、日本テニス史における特別な成功であり、日本人選手同士のペアによる唯一の男子ダブルス優勝でもある。

その後のキャリア

加茂公成は4大大会男子シングルス部門にも積極的に出場し、特に1957年の全米選手権とウィンブルドンには出場し、それぞれ3回戦進出を果たした。デビスカップでも1959年まで活動を続け、通算成績はシングルスで12勝8敗、ダブルス3勝6敗となる。

2006年には国際テニス連盟から「テニスに貢献した選手の賞」を受賞するなど、その功績が評価され続けた。2017年1月6日、心筋梗塞により亡くなった際、その年齢は84歳であった。彼の業績は今も日本のテニス界に影響を与え続け、多くの選手たちにインスピレーションを与えている。

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