宮山塚古墳

宮山塚古墳の概要

宮山塚古墳（みややまづかこふん）は、奈良県生駒郡平群町椿井に位置する重要な古墳です。この古墳は、姿形が円形の墳丘を持ち、奈良県の指定史跡にも認定されています。また、宮山塚古墳の近くには、似た形状を持つ宮裏山古墳もあり、両者の関係についても触れていきます。

地理的背景

宮山塚古墳は奈良県の北西部にあり、平群谷の東側に広がる矢田丘陵の西斜面、尾根の先端に築かれています。この位置は古代の祭祀や埋葬に適した場所であったことが推測されます。古墳の名前は近隣にある春日神社に起因していると言われていますが、時が経つにつれて中世には椿井城の土塁に組み込まれたため、その形状にいくつかの改変が加わっています。

古墳の形状と特徴

この古墳は、東西に26メートル、南北に24メートル、高さが約7.1メートルという大きさを誇る円墳です。埋葬施設については、片袖式の横穴式石室が設置されており、この部屋は南に向かって開いています。この石室の特徴としては、右片袖式で、正方形に近い平面形をしており、ドーム状の天井を持っています。羨道は短い形状でありますが、いずれも古墳時代の横穴式石室の導入段階に属します。特に、この古墳は築造時期が古墳時代中期の5世紀後半から末頃であり、平群谷での最古の古墳と考えられています。

埋葬施設の詳細

埋葬施設は、右片袖式の横穴式石室で、以下のようなサイズが設定されています。玄室は長さ4.2メートル、幅2.9メートル、高さ約3.2メートルとなっており、羨道は長さ0.8メートル、幅1メートル、高さ約1メートルです。石室の素材には扁平な自然石と割石が用いられており、上部には内側へ持ち送りを行うことによってドーム状の天井が形成されています。また、玄室の奥壁には燭台のような龕状の窪みが見られることも特筆すべき点です。

隣接する宮裏山古墳

宮山塚古墳の南側に位置するのが、宮裏山古墳（みやうらやまこふん）です。この古墳も円墳で、直径は約15メートルです。埋葬施設は両袖式の横穴式石室が採用されており、南に開口しています。玄室のサイズは長さ3.9メートル、幅2メートル、羨道は長さ約3メートル、幅1.4メートルとなっています。石室には花崗岩が使われており、こちらも重要な歴史的遺物となっています。

文化財としての位置づけ

宮山塚古墳は1969年に奈良県の指定文化財としての地位を得ています。その後も、古墳の研究や保存活動が進められており、学術的な視点からも多くの注目が寄せられています。古墳時代の歴史や文化を知る上で、宮山塚古墳及び宮裏山古墳は、欠かせない存在となるでしょう。

このように、古墳は時を超えて私たちに多くの歴史的なストーリーや知見を提供しています。古代の人々の思いを感じ取りながら、訪れてみることをお勧めします。

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