宮崎守

宮崎守（みやざき まもる、生年不詳 - 2008年）は、日本の教育者であり、スピードスケートの指導者としてその名を刻みました。

経歴

宮崎守は、「田んぼスケート」の考案者として広く知られています。1960年代、群馬県吾妻郡嬬恋村の嬬恋村立嬬恋西小学校に勤務していた彼は、地域の寒冷な気候に着目し、冬場の田んぼに水を張ってスケートの授業を行うという画期的なアイデアを思いつきました。当時、群馬県北部地方は厳しい寒さに晒される一方で、スケートリンクがほとんど存在せず、スケート選手が育ちにくい環境にありました。しかし、嬬恋村はキャベツ農家が多く、冬は農閑期であったため、宮崎の熱意に共感した保護者や地域の人々が積極的に協力し、田んぼリンクの実現を後押ししました。

この「田んぼリンク」で、宮崎は児童・生徒への熱心な指導を続けました。入澤孝一、熊川輝男と共に嬬恋スケートクラブを立ち上げ、黒岩彰、黒岩敏幸、黒岩悟、黒岩美智子、黒岩恵子、黒岩宗久など、数多くの優秀なスケート選手を育成しました。その功績は「群馬に宮崎あり」とまで称えられ、彼の指導を受けた選手たちは、その後の日本のスケート界を大いに盛り上げました。田んぼリンクの成功は全国に広まり、福島県川俣町をはじめ、各地の田んぼで嬬恋の方式に倣ったリンクが作られるようになりました。

また、宮崎は群馬県スケート連盟副会長、群馬県スケート連盟嬬恋支部長、嬬恋スケートクラブ会長などの要職を歴任し、群馬県スケート界の発展に大きく貢献しました。

年譜

1989年、群馬県スケート連盟副会長に就任。
2003年、長年の体育功労が認められ、旭日雙光章を受章。
* 2008年、80歳で永眠。

人物

趣味は教え子の活躍を新聞記事で読むことと、マージャンであったと伝えられています。

宮崎守の情熱と革新的な指導は、群馬県だけでなく日本のスケート界に大きな足跡を残しました。彼の「田んぼスケート」の取り組みは、地域資源を活用したスポーツ教育の先駆けとして、今も語り継がれています。

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