宮崎正義
宮崎 正義について
宮崎正義（1893年 - 1954年）は、満州国での経済政策や学生時代のロシア留学を経て、特に満鉄調査部での活動に貢献した経済学者です。彼は石原莞爾のブレーンとして知られ、日本と満州における統制経済体制の構築に努めました。
生い立ちと教育
宮崎は金沢藩の下級士族の家庭に生まれ、1911年に金沢二中を卒業後、官費留学生として選ばれます。ハルビンでロシア語を学んだことをきっかけに、モスクワでの留学生活を経て、1917年に帰国することになります。この留学中には、「露西亜通信」を執筆し、日本でロシアの情報を発信しました。
1917年の2月革命を経て、ロシアでの不安定な情勢を理由に帰国し、満鉄に勤めることになる宮崎は、最初は運輸部から総務部へと異動し、次第にそのキャリアを積んでいきました。
満鉄での業務
1920年代に入ると、宮崎はソビエト視察旅行を行い、ロシア関連の文献を収集し翻訳出版することに尽力します。当時の彼の活動は、軍関係者との交流や調査活動を通じて広がりを見せます。特に、石原莞爾との出会いが彼の人生を大きく変えることとなりました。石原の経済面でのブレーンとして活躍し、相互に強い信頼関係を築いていきます。
1932年に設立された満鉄経済調査会では初代部長を務め、「満洲経済統制策」や「満洲国経済建設綱要」を考案し、国家の経済政策に深く関わりました。1933年には日満経済ブロックにおける経済統制方策の研究に転伸し、重要な役割を果たしました。
日満財政経済研究会とその影響
宮崎は1935年に設立した日満財政経済研究会（もしくは宮崎機関）において、その活動を本格的に進めることになります。運営資金が参謀本部から提供され、活動は円滑に進行。様々な分野でのエリートと連携し、特に重要なメンバーと共に「重要産業5カ年計画要綱」を策定するなど、経済政策に影響を与えました。
また、戦争の状況が変化する中で宮崎機関の活動も変容を遂げます。兵員数の増加や経済活動の統制が求められる中、彼の機関は物資動員計画の策定にも関与することとなり、国家の総力戦体制に寄与しました。
戦後の活動と遺産
第二次世界大戦後は、宮崎は復員してから日本経済復興協会の常務理事に任命され、戦後の日本の経済復興にも関与しました。彼の経験と知識は、日本の経済政策において重要な役割を果たすものであり、戦後の経済に影響を与え続けました。
1954年、宮崎は肝臓癌で亡くなりますが、彼が築いた基盤は今も多くの研究者や経済人によって受け継がれています。彼の生涯を通じて、多くの重要な施策や活動が行われ、日本の現代経済における一つの指針を示すものとなりました。
参考文献
関連項目
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