宮崎県立佐土原高等学校

宮崎県立佐土原高等学校は、宮崎県宮崎市佐土原町下田島に位置する公立の工業専門高等学校です。1988年に設立され、以来、地域社会に貢献できる産業技術者の育成を目指しています。

教育の特色

本校の最大の特色は、就職と進学の両面で高い実績を挙げている「ハイブリッド」な教育体制にあります。卒業生の就職率は例年100%を達成しており、希望者全員が職を得ています。同時に、多くの生徒が進学を選択し、特に国公立大学へは毎年30人前後が合格するなど、全国の工業高校の中でもトップクラスの進学実績を誇ります。これは、個々の進路希望に応じたきめ細やかな指導と、専門分野に加え普通科目にも力を入れている教育内容の成果と言えるでしょう。

学校の理念は「自立」「協調」「創造」の校訓に集約されています。生徒が自ら考え行動し、他者と協力しながら、新しい価値を生み出す力を育むことを重視しています。入学を希望する生徒には、学習意欲はもちろんのこと、コンピュータを活用した「ものづくり」への興味や明確な目的意識、そして基本的な生活習慣や集団生活への適応力、さらに部活動や生徒会活動、ボランティア活動への積極性などが求められます。

校章は、未来へ力強く羽ばたく鳳の姿と活力（Vitality）を表す「V」を組み合わせたデザインで、生徒たちが内に秘めた活力を発揮し、大らかに未来へ飛翔することを願って図案化されています。

設置学科

本校には、現代社会のニーズに応える4つの専門学科が設置されています。

電子機械科: 電子技術、機械技術、情報技術の基礎から応用までを横断的に学び、幅広い知識と技術を習得します。
通信工学科: 電気、電子、通信、情報の各分野を融合させ、電気通信技術に関する専門知識と技術を深く探求します。
情報技術科: ハードウェアとソフトウェアの両面から情報技術を体系的に学び、実践的な問題解決能力を養います。
産業デザイン科: 豊かな表現力と想像力を育み、現代社会におけるデザインの役割や可能性について考察する視野を広げます。

これらの学科では、専門的な知識や技術の習得に加え、関連する国家資格や各種検定の取得にも力を入れています。例えば、電気工事士や陸上特殊無線技士、基本情報技術者、ITパスポートといった情報処理系の資格、さらには各種技能士や危険物取扱者、CAD検定など、多岐にわたる資格取得を支援しており、生徒の将来の選択肢を広げています。

部活動・学校行事

本校の部活動は非常に活発で、運動部、文化部、そして学科の専門性を活かした生産部の三つの系統に分かれています。運動部では、硬式テニス部が全国レベルの実力を持ち、野球部も2004年には夏の甲子園に初出場し二回戦に進出するなど、顕著な実績を残しています。文化部では、演劇部、放送部、弦楽部、吹奏楽部などが数々のコンクールで成果を上げています。生産部も、情報技術部やデザイン技術部などが研究発表会などで高い評価を得ています。生徒はそれぞれの興味や関心に応じて、学業と両立しながら多様な活動に取り組んでいます。

年間を通して、学習活動以外にも様々な学校行事が実施され、学校生活に彩りを添えています。特に、文化祭と体育祭を合わせて「銀麗祭」と称し、多くの生徒が企画・運営に携わって盛り上がります。その他、入学式、遠足、クラスマッチ、体験入学、インターンシップ、修学旅行など、生徒の成長を促す多様なイベントが行われています。

国際交流と地域との連携

国際交流にも積極的に取り組んでおり、台湾台中市立東勢工業高級中等学校や韓国安山工業高校と姉妹校協定を結び、交流を深めています。また、地域社会との連携も重視し、インターンシップなどを通じて地域産業との関わりを深めています。

その他

2016年には、マスコットキャラクター「サクジラ」が誕生し、学校の様々な場面で親しまれています。また、国家資格である基本情報技術者試験（FE）の午前科目免除制度の認定校となっており、情報技術分野を目指す生徒にとって有利な学習環境が整っています。

宮崎県立佐土原高等学校は、専門的な知識と技術の習得、多様な進路選択肢の提供、そして豊かな人間性の育成を目指し、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出す教育を行っています。

著名な卒業生

各分野で活躍する卒業生も輩出しています。モデルの蛯原友里さん、元プロ野球選手の金丸将也さん、ミュージシャン（KOTORIのVo/Gt）の横山優也さん、ラグビー選手の渡辺正善さん、建築家の岩切剣一郎さんなどがいます。

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