宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校・附属中学校

宮崎県都城市妻ヶ丘町に位置する宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校・附属中学校は、「泉（いずみ）」の通称で地域に親しまれている県立の併設型中高一貫教育校です。長い歴史と伝統を持ち、地域社会の発展に貢献する人材育成を目指しています。

教育課程と特色

高等学校には全日制課程と定時制課程が設置されています。全日制課程は普通科と理数科の2学科で構成され、普通科は2年次から、理数科は3年次からそれぞれ文系・理系に分かれたコース編成が行われます。少人数教育を重視する理数科は、附属中学校からの内部進学者を原則として受け入れる体制をとっており、大学進学を見据えた高度な教育が展開されています。定時制課程には普通科と商業科が設けられており、多様な学びのニーズに対応しています。

本校では、午前8時20分を登校時間とし、原則として1日7時間の授業が行われます。これに加え、週に3回、午前7時40分からの朝課外と夕課外が実施されており、国語、数学、英語を中心に、基礎学力の定着から応用、さらには大学入試に向けた対策まで、生徒一人ひとりの希望に応じた学習支援が行われています。こうした手厚い指導体制のもと、卒業生の9割以上が国公立大学をはじめとする様々な上級学校へと進学するなど、高い進学実績を誇っています。

2010年度には附属中学校が開校し、これに伴い併設型の中高一貫教育がスタートしました。中学校は1学年40名という少人数制で、高等学校の理数科への進級を前提とした、大学進学を特に重視する教育方針が掲げられています。

学校の精神と象徴

校訓には「質実剛健」が掲げられています。これは、飾り気がなく真面目で、心身ともに強くたくましい様を尊ぶ精神を表し、生徒たちの人間形成の柱となっています。

校章は、旧職員によって図案化されたもので、校名に含まれる「泉」と「丘」の文字に、「高」（高等学校）の文字、そして円と波の模様が組み合わされています。附属中学校の校章は、高等学校の「高」の部分が「中」に置き換えられています。円は円満さを、波は泉から湧き出る活力を象徴していると考えられます。校歌は長嶺宏氏が作詞し、石田良男氏が作曲を手がけました。全3番からなり、各番の歌詞に「泉ヶ丘」という校名が歌い込まれ、生徒たちの誇りとなっています。

同窓会は「義友会（ぎゆうかい）」と称し、卒業生同士の絆を深め、母校の発展を支援する活動を行っています。

部活動も盛んで、全日制課程では運動部・文化部ともに数多くの部が活動しており、生徒たちは学業と両立させながら、それぞれの興味や目標に向かって日々練習に励んでいます。

学校の歩み

本校の歴史は、明治時代に設立された旧制中学校にまで遡ります。1899年（明治32年）に「宮崎県都城中学校」として開校した男子校がその源流です。一方、女子教育においては、1914年（大正3年）に設立された「北諸県郡立都城高等女学校」が後の都城高等女学校となります。

第二次世界大戦後の学制改革により、1948年（昭和23年）には都城中学校、都城高等女学校に加え、都城商業学校、都城農学校の県立旧制中等教育学校4校が統合され、新制「宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校」が誕生しました。普通課程、商業課程、農業課程、定時制普通課程を有する総合制・男女共学の高校として、4つの旧校舎を校舎として活用する体制でスタートしました。

その後、商業課程は1957年（昭和32年）に宮崎県立都城商業高等学校として独立し、農業課程も他の高校へ移管されるなど、学科の再編が進みました。家庭課程の設置と廃止を経て、普通科を中心とした高校へと体制が整えられていきました。

1980年代には新校舎の建設が進み、教育環境が近代化されました。1994年（平成6年）には普通科内に理数コースが設置され、2004年（平成16年）にはこれが独立して理数科となり、現在の普通科・理数科の2学科体制が確立しました。そして、2010年（平成22年）には附属中学校が併設され、中高一貫教育校としての新たな歩みを始めています。

所在地と環境

学校は都城市妻ヶ丘町に位置し、JR九州の日豊本線・吉都線「都城駅」が最寄りの鉄道駅となります。また、宮崎交通の「高校前」バス停が利用でき、交通アクセスは良好です。周辺には都城運動公園や都城市立妻ヶ丘中学校、都城市総合文化ホールなどがあり、文教地区としての環境も整っています。

著名な出身者

都城泉ヶ丘高等学校の卒業生は、政界、経済界、学術、報道、芸術、芸能、スポーツなど、様々な分野で活躍しています。国会議員や地方自治体の首長を務めた人物、企業の創業者や要職に就いた人物、研究者、ジャーナリスト、作家、俳優、スポーツ選手など、多くの有為な人材を輩出しており、その幅広い活躍は母校の誇りとなっています。

まとめ

宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校・附属中学校は、歴史と伝統を受け継ぎながら、時代の変化に対応した教育改革を進めています。中高一貫教育による生徒の個性伸長と学力向上、そして地域社会との連携を深めることで、将来を担う人材の育成に努めています。

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