宮里久美

宮里久美：80年代を彩ったアイドル、歌手、声優

宮里久美（みやさと くみ、本名も「みやざと」と濁る、1969年10月1日 - ）は、1980年代後半に一世を風靡した日本の元アイドル、歌手、そして声優です。神奈川県相模原市出身で、身長166cm、てんびん座、血液型A型というプロフィールを持っています。1989年に惜しまれつつも引退しました。

デビューのきっかけ

1984年、宮里は友人と共にホリプロタレントスカウトキャラバンに参加しました。応募総数11万を超える大規模な大会の東京予選で見事勝ち残り、入賞は逃したものの、その高身長が審査員の目に留まり、モデルとして芸能界への扉を開きます。

陸上少女からアイドルへ

意外にも、小学生の頃から陸上クラブに所属し、走り幅跳びと短距離リレーに打ち込んでいました。中学校でも陸上部に所属し、100メートルを14秒程度、走り幅跳びは4メートル30センチを記録。中学時代のニックネームは「ミヤリ」で、得意科目は国語、体育、音楽、苦手科目は英語と数学という、活発な少女でした。

歌手、声優としての才能開花

1985年2月5日、OVA『メガゾーン23』の主題歌「背中ごしにセンチメンタル」で歌手デビューを果たします。オリコンベスト27位にランクインし、注目を集めました。さらに、同作品のキャラクター、時祭イヴ役に抜擢され、声優としてもデビュー。新人歌手をアニメとタイアップさせるという当時の流れに乗り、飯島真理、太田貴子、志賀真理子らと共に、1980年代のアイドル声優の先駆けとして名を連ねることになります。

ホリプロにモデルとして所属後、『メガゾーン23』の歌唱オーディションで、その歌唱力に周囲が驚いたことがきっかけで、歌を中心に売り出す方針が決まったそうです。しかし、声優を務めることには当初、「やりたくない！」と戸惑いを感じていたことを後に明かしています。

時祭イヴ役のオーディションでは、身長が高いという理由で難色を示す関係者もいましたが、プロデューサーの三浦亨やアクション監督の板野一郎らが宮里の才能を高く評価し、起用を強く推したというエピソードが残っています。時祭イヴの歌の振り付けは宮里自身が考案し、それをビデオに撮影したものを参考に、アニメーターの美樹本晴彦が作画したという逸話も。

ファンとの交流

ファンクラブの名称は「宮里組（みやさとくみ）」と、自身の名前と同じ読み方にしていました。ファンクラブ発足から1ヶ月で1000人以上の入会希望者が殺到。ファンクラブの会員には、瓜にいたずら書きをするのが趣味というお茶目な一面も明かしていました。

引退、そして現在

1989年3月、ラジオ番組『やってやるぜ情報局』の最終回直前の放送で、自ら引退を発表。番組の最終回をもって、芸能界から姿を消しました。引退の理由は明かされておらず、その後の消息も不明です。しかし、彼女の歌声と愛らしい姿は、1980年代のアイドル文化を語る上で欠かせない存在として、今もなお多くのファンの心に刻まれています。

ディスコグラフィー

シングル

背中ごしにセンチメンタル（1985年2月5日）
秘密く・だ・さ・い（1986年1月21日）
ふたりのサン・ジョルディ（1986年4月15日）

アルバム

瞳でウィスパリング（1985年10月21日）
アレルギー（1986年8月21日）
UNFINISHED（1987年7月21日）
* FOR YOU /宮里久美・ベストコレクション（1986年11月21日）

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