宮里政玄

宮里 政玄（みやざと せいげん）

宮里政玄は、国際政治学者として日本における重要な存在であり、主にアメリカ外交史と日米関係に関する研究で知られている。1931年9月10日、沖縄県国頭郡今帰仁村に生まれた彼は、沖縄戦を経て学問の道へと進んだ。

経歴の概要

沖縄の県立第三中学校在学中に沖縄戦を経験した宮里は、琉球大学を一時中退し、アメリカのマスキンガム大学へ留学する。その後、琉球銀行に勤務した後、1957年には再びアメリカに渡り、オハイオ州立大学大学院でアジア外交と統治政策について学ぶ。1961年に論文『南アジアの中立主義に対するアメリカ外交 一九四七年から一九五五年』を提出し、博士号を取得した。

1968年から1982年まで琉球大学法文学部で教授として教鞭を執り、戦後資料収集委員会の委員長としても活動した。この委員会ではアメリカの琉球統治に関する資料を収集し、沖縄の戦後史を研究するための貴重なデータを提供した。彼自身も沖縄関係の資料を琉球大学に寄贈している。

その後、1982年には新潟の国際大学に教授として迎えられ、日米関係研究所の主任研究員や国際関係学研究所の一員として貿易摩擦の研究に従事した。1994年に獨協大学での教授職も経験し、沖縄の国際政治を考察するために沖縄対外問題研究会を企画し、リーダーシップを発揮した。

受賞歴と貢献

宮里は2011年に『日米関係と沖縄』で第29回伊波普猷賞を受賞し、2012年には沖縄タイムス賞文化賞も授与された。彼の研究は沖縄の歴史とアメリカとの関係性を深く理解するための重要な資料として評価され続けている。2011年にはアメリカ研究のために島嶼地域科学研究所に寄付をし、その資金は「宮里政玄基金」として活用されている。

著作の一覧

彼の著書には、『アメリカの沖縄統治』『アメリカの対外政策決定過程』『アメリカの沖縄政策』『日米関係と沖縄 1945-1972』などがあり、それぞれがアメリカの沖縄に対する姿勢や政策を詳細に探るものとなっている。編著や共編著の作品も多く、戦後沖縄の政治や国際協力の重要性に関する研究が含まれている。

最後の年

宮里は2019年4月8日に多臓器不全により那覇市内の病院で逝去した。87歳という生涯において、彼は国際政治学の分野で多大な影響を残し、沖縄の研究での権威としての地位を確立した。このように、宮里政玄の業績は今日でも多くの研究者や学生に影響を与え続けている。

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